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チューナブル薄型フラットメタレンズ

December, 4, 2017, Seoul--韓国の基礎化学研究所(IBS)内、集積ナノ構造物理学センターの研究チームは、バーミンガム大学(University of Birmingham)およびKAISTの研究チームと協力して、クレジットカード厚でチューナブル特性をもつフラットレンズを開発した。この光学デバイスは、グラフェンと穴の開いた金表面でできており、振幅可変レンズ、レーザ(渦糸位相板)、動的ホログラフィなど先進的なアプリケーション向けの光学コンポーネントになる。
 メタサーフェスは新しい2D材料。これは、光の電気成分と磁気成分(およびその他の電磁波)を効果的に制御でき、それらを注文通りの方向に曲げることができる。ビームの方向をコントロールすることで興味深い現象を引き出せる。たとえば、「隠れ蓑効果」である。
 Advanced Optical Materilsに発表された研究成果は、凸レンズとして機能するメタサーフェスの特性を紹介している。具体的に言うと、それはマイクロメートルサイズのU型の穴を開け、グラフェンで覆った金シートでできている。普通の凸レンズの形状が光を一点に集めるように、メタレンズの小開口の特殊パターンは、入力ビームを集光することによつて機能する。
 加えて、これらのマイクロホールは光の偏光を変えることができる。自然光は一般に反射される前は非偏光であるが、研究チームは円偏光波を使った。すなわち、電界の方向がらせん状渦巻になる光ビームである。このメタレンズは、左円偏光波を右円偏光に変えることができる。研究チームは、35%の変換効率を達成できた。円偏光の変換は、多くの分野、たとえばバイオセンシングや通信で有用である。
 もっと多くの特性を制御するために研究チームは、グラフェン固有の特徴を活用し、それを使って出力ビームの強度、つまり振幅を調整した。ここではグラフェンはカメラの露光の役割を果たしている。カメラの場合は、機械的な制御により、シャッタの開く時間とサイズがカメラへの入力光の量を決める。このメタレンズは、その代わりに、グラフェンシートに印加する電圧によって、大きなコンポーネントなしで、露光を制御する。電圧がグラフェン層に印加されると、出力ビームは弱くなる。「メタレンズを使うと、顕微鏡、カメラ、非常に高感度の光学計測に用いるツールを著しくコンパクトにすることができる」と論文の筆頭著者、Teun-Teun Kimは説明している。
 メタレンズは、一種の電磁波、赤外とマイクロ波の間、テラヘルツ照射用に設計されている。この種の照射は、ある材料(織物やプラスチック)を透過するが、マイクロ波よりも短い波長である。したがって、監視やセキュリティスクリーニングに使用できる。
 「従来の光学レンズは、厚さが数センチから数ミリメートルだが、このメタレンズはわずか数10µm厚である。集光強度は効果的にコントロールでき、超小型の光学機器で有用である」とTeun-Teun Kimは話している。