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金属膜の磁力を電気的にオンオフし、透過光を制御することに成功

November, 21, 2017, 東京--東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の日比野有岐大学院生、同 千葉大地准教授、豊田工業大学の粟野博之教授、電力中央研究所の小野新平上席研究員、東北大学の好田誠准教授などからなる研究チームは、自然界では磁石として存在するコバルト(金属)を薄膜にし、その磁力を電気的にオンオフする技術を用いて、ファラデー効果自体をオンオフすることに成功した。偏光面の回転そのものが、磁界ではなく電気的に制御できる。これにより、偏光板との組み合わせで、光の透過強度を少ない電力で電気的に制御できるようになった。
 二枚の偏光板を重ねて一方を回転させると、透過光が明るくなったり暗くなったりする。光には偏光という性質があり、偏光板は特定の偏光面を持つ光しか通ない。そのため、一枚目の偏光板で偏光面が揃った光が二枚目の偏光板を透過するかどうかは、両偏光板の相対角度に依存する。一方で、偏光面の回転は光が透過する物質の磁気的性質とも深く関わっており、ファラデー効果として古くから知られている。同効果は光アイソレータなどに利用され、大きな電力を使って発生する磁界が主な制御手段とされてきた。
 すでに広く利用されている金属の磁石の膜を使った素子にもともと組み込まれた電極を用いて電圧を加える、というシンプルな構造で透過光を制御できるため、光通信を支える光素子の性能向上や小型化・集積化・省エネ化という面で、今後重要な役割を果たすことが期待される。
 成果は、Applied Physics Expressのオンライン版に掲載された。
(詳細は、www.tohoku.ac.jp)