November, 16, 2017, Atlanta--窒化ホウ素の薄い犠牲層をベースにした転写技術によって、サファイア基板上に高性能GaNガスセンサを成長させることができ、さらに金属またはフレキシブルポリマーサポート材料に転写できる。この技術により、広範な環境アプリケーション向け、低コストウエアラブル、モバイル、使い捨てセンサデバイスの製造が容易になる。
GaNセンサを金属箔やフレキシブルポリマーに転写すると、二酸化窒素に対するその感度は2倍になる。反応時間は6倍である。シンプルな製造ステップは、有機金属気相成長法(MOVPE)をベースにしており、センサやオプトエレクトロニックデバイスの製造コストを下げることもできる。
新しいプロセスで製造されるセンサは、ppbレベルでアンモニアを検出し、窒素を含む気体間の区別ができる。そのガスセンサ製造技術は、Scientific Reportsに発表された。
研究チームは、MOVPEプロセスを使い、約1300℃で2インチサファイアウエハ上に窒化ホウ素モノレイヤの成長プロセスを始める。窒化ホウ素表面コーティングは、わずか数nm厚であり、強力な平面結合をもつ結晶構造を造るが、垂直結合は弱い。 MOVPEプロセスを利用し、今度はAlGaN/GaNデバイスを、約1100℃でモノレイヤの上に成長させる。窒化ホウ素結晶特性のために、デバイスは弱いワンデルワールス力によって基板に付着しているだけである、これは機械的に弱らせることが可能。デバイスは、亀裂や欠陥なしで、他の基板に転写できる。サファイアウエハは、さらなるデバイス成長に再利用できる。
これまで研究チームは、センサを銅箔、アルミ箔、ポリマー材料に転写した。使用すると、デバイスは酸化窒素、二酸化窒素、アンモニアを区別することができる。デバイスは、約100×100µmであるので、マルチガスセンサを単一の集積デバイスに作製できる。
異なる基板にデバイスを転写する効果を評価するために研究チームは、元のサファイアウエハのデバイス性能を計測し、新しい金属基板およびポリマー基板上のデバイス性能と比較した。驚いたことに、感度は2倍になっており、反応時間は6倍、これはデバイスの単純な温度変化によって期待されるところを超える変化である。
「適切な特性の別のサポート材料に移行するだけで、その基板上で柔軟性を獲得できるだけでなく、デバイスの性能も改善することができる。基板の特性だけが、パフォーマンスの違いになる」と同氏は話している。
(詳細は、www.gatech.edu)