November, 1, 2017, Gothenburg--チャルマース技工大学(Chalmers University of Technology)とデンマーク工科大学(DTU: Danmarks Tekniske Universitet)の研究チームは、多様な状況とコンテクストでナノ粒子の個別反応をマッピングできる方法を開発した。研究成果は、ナノマテリアルの改善とナノテクノロジーの安全に道を開くもので、Nature Communicationsに発表された。
将来的には、全ての新しい技術は、何らかの形で、ナノテクノロジーを基盤にする。とは言え、ナノ粒子は、予測できない性質を持つ。それらは離れて見ると同じように見えても、個々に近づくとかたくなに個性的である。
研究チームは、多様な多結晶ナノ粒子が水素に触れると挙動が非常に際立つ理由を発見した。この知識は、水素ディテクタの開発を改善する上で重要である。
「われわれの実験は、水素との反応が、ナノ粒子が構築される方法の細部にいかに依存しているかを明確に示している。特性と反応とに非常に強い相関関係があることが分かった、またそれは理論的に十分に予測可能である」とチャルマースの物理学部ポスドク、Alekseevaは説明している。
ある材料のナノ粒子は、多数のもっと小さな微粒子、つまり結晶で構成されている。微粒子の数と、それらがどのように整列されているかは、ある状況で粒子がどのように反応するか、ある物質とどのように反応するかの決定に重要である。研究チームは、個別パラジウムナノ粒子のマップを作成した。画像は、微粒子を、一つのマップに統合された多数の領域として示している。ある粒子を構成する微粒子の数が非常に多く、別の粒子は微粒子の数が相対的に少ない、また領域の相互接触は多様である。
この新しいナノ粒子を特徴付ける方法は、電子顕微鏡と光学顕微鏡の組合せをベースにしている。両方の方法を利用して、同じ個別ナノ粒子を調べ、それらが他の物質に出遭うときにその反応をモニタすることができる。これによって個別レベルでナノ粒子の基本的材料特性をマッピングすることができ、それらが環境に接するときに粒子の反応とどのように関係しているかが分かる。
結果として、さらなる研究にはほぼ無限に広い可能性が開かれる。また、環境と健康的な視点から、技術的にも最適化され、安全な製品とナノマテリアルの開発にもほぼ無限の可能性がある。
研究されたナノ粒子は、それ自身がセンサとしても機能する。それらが照射されると、多様なガスや液体など、他の物質とどのように反応するかが明らかになる。研究チームは現在、この分野でいくつかのプロジェクトに取り組んでいる。
とは言え、ナノ粒子についての知見は、社会の広範な領域で必要とされている。これらには、例えば、新しい電子デバイス、バッテリ、燃料電池、触媒コンバータ、織物、科学工業やバイオテクノロジーが含まれる。これらの微粒子がどのように働くか、また長期的にわれわれと環境にどのように影響を与えるかについて、まだ分かっていないことがたくさんある。
(詳細は、www.chalmers.se)