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恒星間航行ロケットの原理実証に一歩前進

October, 30, 2017, 福岡--九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授は、大阪大学レーザ科学研究所、パデュー大学、光産業創成大学院大学、広島大学、明石高専と協力して、プラズマロケット磁気ノズルのレーザ生成プラズマ噴出方向の制御に成功した。
 有人火星探査が現実味を帯びる中、従来までの化学ロケットでは火星までの往復に長時間を要し、宇宙船乗務員・乗客には、心理的な負担に加えて宇宙線被曝、骨密度減少など大きな負荷をかける。そのため化学ロケットに代わる高速の宇宙船・ロケットが求められている。将来の惑星間・恒星間航行の有力候補とされるレーザ核融合ロケットでは、高速で膨張する核融合プラズマを、強力な磁場で制御し排出する。
 研究チームは、大阪大学レーザ科学研究所のEUVデータベースレーザ(出力エネルギー:6J)を固体に照射することで高速に膨張するプラズマを生成し、複数の電磁石を組み合わせた磁気ノズルで排出プラズマの方向制御が可能であることをはじめて実験的に実証した。さらにレーザ照射によって生成されるプラズマとその膨張過程を数値シミュレーションで計算することで、この手法の原理が実証可能であることを確認した。
 研究成果は、Scientific Reportsに掲載された。引き続き研究チームは、10月16日~20日、さらに100倍のエネルギーをもつ大阪大学レーザ科学研究所の大型レーザ(激光XII号)を利用して、その性能を向上させるための詳細な実験を行い、この手法の実用化を確信する実験データを得た。「今後は実機で想定されるような、さらに1000倍のエネルギーを用いたプラズマロケット磁気ノズルの原理実証を目指して、研究を進めていく」、と研究チームはコメントしている。
(詳細は、www.kyushu-u.ac.jp)