October, 24, 2017, Arlington--テキサス大学アーリントン(University of Texas at Arlington)生体工学教授とそのチームは、ポータブル脳イメージングシステムと新生児向けの先進的信号処理技術を統合する。これにより、赤ん坊の神経生理学のリアルタイム計測が改善され、医師は脳障害、脳腫脹の処置に必要な分析がより迅速にできるようになる。
UTA生体工学者、Hanli Liuは、国立衛生研究所(NIH)から、UT Southwestern新生児集中治療医、Dr. Lina Chalakへの5年の助成金、173万ドルのうちの50万ドルを使う。Dr. Chalakの研究は、新生児の脳の転帰改善にフォーカスしている。プロジェクトは、「新生児脳症損傷発見のための新種ウェイブレット神経血管束」“A Novel Wavelet Neurovascular Bundle for Detection of Injury in Neonatal Encephalopathy.”。
出生時仮死、つまり幼児の酸欠は臨床新生児ケアの世界的な問題である。Liuが昨年出版した報告によると、世界で年に400万の新生児が影響を受けており、そのうち100万人が死亡、さらに100万人に傷害が残っている。
「われわれの光学脳イメージングシステムは、近赤外光を使い、脳の多領域にわたり同時に非侵襲的に脳酸素化パラメータと血流を検出する、そのような局所化脳酸素化パラメータは、他の生体記録と統合すると、脳障害にかかっている赤ん坊の救命処置継続に必要なリアルタイム情報を医師に提供する」(Liu)。
このプロジェクトでLiuのグループの責務は、本来大気科学や海洋科学向けに開発されたウェーブレットコヒレンス解析(WCA)の新規採用とさらなる改善にある。
WCAは複雑な数学とコンピュータステップに関係している。UTSWのDr. Chalakが、神経血管ウェイブレット解析など、神経生理学的およびバイタルパラメータ間のコヒレンス因子の定量化でLiuのチームに頼っている理由がここにある。
「そのようなコヒレンス因子は、将来的には病気の赤ん坊の臨床診断、処置、予後のバイオマーカーとして使える可能性がある。リアルタイムモニタリングにより医師は素早く処置できる。究極の目的は、そのような赤ん坊の救命である」とLiuは話している。
現在、新生児脳障害の処置は、標準的な処置として冷却用ブランケットを利用することで赤ん坊の体温を下げることであるが、このような処置の恩恵を受けるのは約50%の赤ん坊である。
したがって、ポータブル脳イメージングシステムとLiuが開発しているWCAの進歩との組合せが、処置を開始すべき時について医師の判断の助けになる。
(詳細は、www.uta.edu)