October, 23, 2017, Ann Arbor--世界最高強度レーザが、国立科学財団(NSF)から200万ドルの助成金を得てパワーアップグレードされる。
より多くのレーザエネルギーを集光することで、ミシガン大学の研究チームと世界中からの協力者は、医療および国家安全アプリケーション向けの粒子およびX線ビームを生成する、より優れたテーブルトップデバイスを作製できる。また、宇宙物理学や量子の世界の謎を探求することも可能だ。
HERCULESレーザのパワーは、超短パルス光を増幅する一連の内蔵5台の「励起」レーザから来ている。HERCULESのパワーを300TWから、500あるいは1000TWにアップグレードするために研究チームは、これらの励起レーザの最後の3台を置き換える。
HERCULESが1000TWを達成すると、米国で最強レーザの部類に属することになる。何があっても、パワーの励起は強度記録の水準を上げる、現在は20セクスティリオン(10×10の22乗)W/㎝2である。向上したHERCULESは、その強度を2倍、ことによると3倍にする。
研究者が期待していること
・テーブルトップ加速器
従来の粒子加速器は数100ヤード長となることが多いが、レーザ光は粒子の加速にパワーを供給し、わずか数平方ヤード以下でX線のような他の高エネルギービームを生成する。将来的には、レーザ駆動粒子加速器が、新しい物理学を開き、超コンパクトなX線レーザの駆動に役立つかも知れない。粒子およびX線ビームは、港に着く出荷されたコンテナ内の核物質の存在判定にも利用できる。また、放射線治療のような医療処置にも利用される。
・軟組織を区別するX線
レーザ加速器から放出される高エネルギーX線ビームにより、軟組織間の境界を見つけることができる最先端のX線イメージングが可能になる。これは、骨のような高密度物質を抽出するのが得意な、従来のX線とは対照的である。レーザ加速器からのX線が多様な物質を透過するとき、その波が同期から外れる程度が違う、したがって、これにより、例えば肺と心臓とを区別することができる。この計測法は、MRIよりも安価になり、より迅速に結果が得られる。
(詳細は、www.umich.edu)