October, 17, 2017, Edinburgh--ヘリオットワット大学(Heriot Watt University)フォトニクス・量子科学研究所の研究チームは、電子をフォトンで置き換え、迫りくる電子機器の速度限界を解決する技術に一歩近づいたと報告している。
ヘリオットワット大学の物理学と光学准教授、Dr Marcello Ferreraは、「エレクトロニクスは、デバイスがどれくらい小さくなったか、どれくらいロバストであるかによって長期にわたり成功を収めてきた。基礎材料の数が非常に限られていてもである」と語っている。
これら2つの特徴はフォトニクス領域の弱点であったが、同氏の最近の研究成果によると、そのすべてを変えられる。
Dr Ferrewraの研究チームは、多様な色の超高速レーザパルスを照射する際に、アルミニウム亜鉛オキサイド(AZO)がどのように光に反応するかを初めて示した。
AZOは、タッチスクリーン技術で用いられている化合物であるので、その発見は、新しいフォトニックコンポーネントの製造に直ちに影響を与える可能性がある。
ナノフォトニクスの専門家は、薄膜AZOの光学特性を調べるために1つのレーザビームを使ったが、それに対して、2つの異なる超高速光、異なる周波数のパルスをその材料に照射した。
記録された効果は、控えめに言っても驚くべきものであった。
「異なる色のレーザ光を使うことで、材料の光学特性を劇的に、可逆的に変えられることを発見した」とDr Ferreraは語っている。
「われわれがAZOを使った理由は、それは長年電子デバイスで使用されてきたが、それがフォトニクスでどのように使えるかについてほとんど知らなかったからである」。
「エレクトロニクスは、ほぼその能力と潜在力の限界に達している。われわれの成果は、フォトニクスコンポーネントの完全微小化への注目に値する一歩である。この可能性は、数年前はサイエンスフィクションだった」。
研究は、スコットランドのグラスゴー大学、ストラスクライド大学、米国のパデュー大学、スタンフォード大学と共同で行った。
研究成果は、Nature Communicationsに発表されている。