October, 16, 2017, St. Florian/Zurich--EV Group(EVG)とSwissLitho AGは、1ナノメートルスケールまでの3D構造作製を可能にする共同ソリューションを発表した。
EVGは、MEMS、ナノテクノロジー、半導体市場向けウエハボンディングとリソグラフィ装置の大手サプライヤー。SwissLithoは、斬新なナノリソグラフィツールのメーカー。
EU第7次フレームワークプログラムが助成する「CMOSデバイス(SNM)を超えるシングルナノメートル製造」プロジェクトで最初に実証された共同ソリューションは、SwissLithoの新しいNanoFrazor熱スキャニングプローブリソグラフィシステムとEVGのHercules NILシステムに関わるものである。NanoFrazorは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)向け3D構造でマスターテンプレートを造る。また、Hercules NILシステムは、高スループットでその構造を再現するSmartNIL技術を実装している。
EVGとSwissLithoは、まずは光学回折素子と他の関連コンポーネントの開発で共同ソリューションを目標にしている。これらは、フォトニクス、データ通信、AR/VRや他のアプリケーションをサポートし、バイオテクノロジー、ナノ流体工学や他のナノテクアプリケーションに拡大する可能性がある。
共同ソリューションの一環として、SwissLithoのNanoFrazorシステムを使い、インプリントマスターを作製する。エレクトロンビームやグレイスケールリソグラフィを含む従来のアプローチと比較して、新技術は優れた精度で3D構造をプリントする固有の能力を持っている。EVGのHERCULES NILシステムを使い、生産利用にコスト効果よく、高スループットで実用的テンプレートを作製する。これは、同社の大面積ナノインプリントSmartNIL技術を用いている。
EVG技術ディレクター、Dr. Thomas Glinsnerによると、SwissLithoのNanoFrazorソリューションは、EVGのSmartNIL技術を強力な補完である。「われわれは、3D構造パターンニングに関係するフォトニクスや他のアプリケーションに完璧なNILソリューションを提供することができる。両社にとっては、顧客基盤と市場範囲を拡大する大きなチャンスが得られる。当社のNILPhotonics Competence Centerは、この共同ソリューションに関心を持つ顧客が接触する最初の拠点になり、ここで実現可能性の検討、デモンストレーション、小規模試験的生産を行うことができる」。
NanoFrazorの背後にある技術、熱スキャニングプローブリソグラフィは、チューリッヒのIBM研究所で発明され、SwissLitho AGが買収した。このマスクレス、直描リソグラフィアプローチは、パタニング前に、サンプル表面に独自の、熱に敏感なレジストをスピンコーティングする。描画されたナノ構造を検査しながら、加熱されたウルトラシャープな先端を使ってレジストを局所的に分解し気化する。結果としての無作為のレジストパターンは、リフトオフ、プレーティング、マールディングあるいは他の方法を使って、ほぼどんな材料にも転移できる。
(詳細は、www.swisslitho.com)