October, 2, 2017, Warsaw--アイダホ国立研究所(INL)の研究チームは、信頼性があり、無公害のベースロードエネルギーとし新しい原子力発電所の魅力を高める、最先端の核燃料の画期的な製法で業界パートナーと協力している。
エネルギー省(DOE)加速技術商品化プロジェクトの一環として、INLのDr. Isabella Van Rooyen と Dr. Clemente Pargaは、WestinghouseのEd Lahodaと協働して、改良型原子炉向けにケイ化ウラン(U3Si2)を製造する画期的なプロセスを開発した。
同プロセスは、核燃料向けに、AMAFT (Additive Manufacturing as an Alternative Fabrication Technique)と名付けられた。プロセスは、U3Si2燃料に関して設計されているが、他の燃料にも適用可能である。現在ほとんどの発電所で使用されている従来の二酸化ウラン(UO2)ベースの燃料と比べると、U3Si2燃料は、高密度で熱伝導性が改善されているため、安全性が向上した改良型最先端燃料としての潜在性を保持している。これら特性の両方とも、燃料サイクル経済改善、非正常状況における安全マージン向上に寄与する。
アディティブマニファクチャリング(AM)プロセス、3Dプリンティングは、原料層の上に層を加えることで対象物形成に利用されている。そのようなプロセスでは、従来の製造技術に比べて材料浪費が少なくなり、高速化が可能である。従来技術では、原料の大きなピースから材料を除去して対象物を形成している。
「AMAFT技術は、新しいハイブリッドアディティブマニファクチャリングプロセスを使用する、すなわち従来の製造工程とAM製造工程を組み合わせて、動力炉用燃料製造にかかわるステップ数、したがって時間とコストを削減する」とINL燃料設計&開発局研究者、Isabella Van Rooyenは説明している。
AMAFTプロセスでは、一連のプロセスで新しいハイブリッドレーザ工学成形技術を使い、マルチ動力源から小さな局所的溶融プールを造り、高密度U3Si2燃料のペレットを直接形成する。
従来の燃料製法は、原ウラン鉱をUF6に変換し、再度それをUO2に変え、これが最終燃料で軽水炉に利用される。
Van Rooyenの説明によると、AMAFTプロセスは、従来の製法からステップを減らす。AMAFTは、いかなるウラン材料からでも出発できる。これはサプライチェーンを広げ、変換ステップを除去する。加えて、研究チームはAMAFTの拡張を容易にすることに取り組んでいる。これは、商用実用化にとって別の大きな要件となる。
(詳細は、www.inl.gov)