October, 2, 2017, Cleveland--ケイス・ウエスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)の研究者が、幼少期に楽しんだオリガミを特許申請中のソフトロボットに変えた。これはいずれ、外科あるいは宇宙空間で組み立てラインに使用される可能性がある。
機械・航空宇宙工学の名誉准教授、Kiju Leeと同氏の研究室は紙のロボットから、曲がり、縮み、伸び、捻じれる3Dプリントモデルに移行した。この新しいメカニズムはTWISTER (TWISted TowEr Robot)と呼ばれている。
TWISTERは、日本人のアーティスト、Mahoko Tachibanaが最初にデザインしたオリガミ捻じれタワーからヒントを得た。これは、多数のオリガミセグメントを使ってタワー構造を形成している。このオリガミデザインを次にロボットの様々な潜在的アプリケーションに作り直し、製造する。
紙を折る構造を使う初期の作業でLeeのチームは、大きなタワーの片端に3つの小さなタワーバージョンを加え、それらを物をつかむ3本の指のように操作した。卵や熟した果物を取り上げたり動かしたりしながら、過度の力を加えると指がその力を分配し変形させて余分な力を吸収することがわかった。
そのような品質は、研究者によると、あらゆる種類の脆弱な物体を操作する設計の潜在能力を実証している。力ベースのセンシングや人との相互作用は必要なく、安全性への懸念もない。
最近になって、Leeは、TWISTERデザインを3Dプリンタブルなモデルに変えた。この成果により、複雑なオリガミに触発されたデザインの製造が3Dプリンティングでできるようになった。
TWISTERは、三角形、六角形、八角形などの正多角形の多層でできており、円筒のようなタワー形状を形成する。
Leeは、ロボットのコントロールにケーブルベースのアクチュエータを使ったが、形状記憶合金の利用など、多様なアプローチも研究されている。
安全上の理由で、剛体ロボットは一般に製造工程では人々から遠ざけられている。「このロボットは軟質材料で作れるので、組み立てラインでワーカーのすぐそばで使っても安全である」と同氏はコメントしている。
侵襲性の少ない手術用に、そのロボットを微小化して、体内に挿入する方法をLeeと医師は議論してきた。
「腹腔鏡手術は、硬いピースを必要とすることがよくあり、それらを外部から制御して動かすことで、組織にストレスをかける」とLeeは言う。
また、同氏は宇宙ロボットアプリケーション、特にスペースアームを研究している。
(詳細は、www.case.edu)