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サンディアのナノテクチーム、初のテラヘルツ速度偏光光スイッチ

September, 29, 2017, Albuquerque--サンディア国立研究所(SNL)をリーダーとするチームは、エレクトロニクスではなく光を使ってナノメートル厚の薄膜デバイスを完全なダークから完全な透明、すなわち光に、初めてスイッチした。
 Nature Photonicsに発表された論文は光情報処理研究に関するもので、コントロールビームとして光を使いテラヘルツ速度でスイッチング、光偏光制御を行う。スイッチングレートは、現在のエレクトロニクス手段によって達成されるよりもはるかに高速であり、他のオールオプティカルスイッチング技術よりもデバイスサイズは小さい。
 技術的には、2つのレーザビームを使い、1つは情報を運び、第2ビームはデバイスをON/OFFする。
 スイッチングビームはフォトンを使って半導体内の電子を華氏数千度に加熱する。これはサンプルをそこまでの温度に上げるというよりも、材料の光学特性を著しく変える。材料もテラヘルツ速度、数100フェムト秒で緩和する。「したがって、この材料をフェムト秒でON/OFFできる」とポスドク研究者、Yuanmu Yangは言う。
 サンディアの研究チームは、プラズモンキャビティのようなものを作ることで光スイッチをON/OFFする。このキャビティは光を数10ナノメートル内に閉じ込め、光と物質の相互作用を著しく強める。ノースカロライナ州立大学の、酸化カドミウムドープの特別なプラズモン材料を使い、高品質プラズモンキャビティを作製した。ドープされた酸化カドミウム内の電子の加熱はプラズモンキャビティの光-電気特性を変え、反射光の強度を変調する。
 金や銀など従来のプラズモン材料は、光制御ビームに対してほとんど感度がない。光を当ててもその特性が光からダークへ、あるはその逆に変わることはない。しかし光制御ビームは酸化カドミウムドープキャビティを急速に変化させ、その光特性をON/OFFスイッチのように制御する。
 次のステップは、スイッチをアクティブにするために、光ではなく電気パルスの使い方を理解することである。オールオプティカルアプローチは、まだ大きな装置を必要とするからである。研究チームは、その作業が3~5年かかると見ている。