September, 14, 2017, Munich--ミュンヘン工科大学(TUM)の研究チームは、3Dプリンターで製造できる多機能、半透明ファサードエレメントを開発した。この技術により、建築設計の完璧な自由度、画期的な設計コンセプトの容易な実現が可能になる。新しいファサード(建物の外見)は、換気、断熱、日除けなどの機能も統合している。
60×100㎝のサンプルエレメントは透明プラスチックでできておおり、非常に込み入った印象を作り出す。散光が表面を透過する。この材料が、風や天候からビルを保護できるとはほとんど信じられない感じである。これは、3Dプリンターでフ初めて機能統合されたファサードエレメントの1つである。TUMの建築設計・建物外面の准教授、リサーチフェロー、Moritz Mungenastがプロジェクトを主導し、同氏のチームが実施した。
「このファサードエレメントは非常に安定しているとともに、半透明で多機能である」とMungenastは言う。例えば、セル内部ではエレメントは安定性を提供しており、同時に空気に満ちたキャビティは適切な断熱を提供する。材料の波は日除けを作る。薄い埋め込みチューブによって空気は、エレメントの一方から他方へ循環し、最高の換気を保証する。また、マイクロ構造の表面は完璧な音響効果を提供する。これらの機能の全てがスケーラブルであり、特別なコストをかけずに個々の要件に対応可能である。
「3Dプリンティングは、以前なら考えられなかったデザイン可能性を開く。われわれは、この自由度を活用して、換気、日除け、空調などの機能を統合することができる。これは、以前には必要だった高価なセンサ、プログラム制御やモータを不要にする」と建築家は説明している。
チームの設計研究は、新しいローテクファサードを利用する建物がどのように見えるかを説明している。プラスチックが空気のベールのような構造を取り囲んでいる。その効果は、波状面によって強められている。ファサードには、大きなふくらみがあり、ある点で突き出し、別の点で後退している。全てのポイントで同じ厚さではなく、波状模様が加わる変化をもつ。
Mungenast氏によると、デザインと機能は密接な相互依存性がある。「夏の暑さから保護するように、また冬には可能な限り多くの光を入れるように波を調整することができる」。
今後、潜在的な用途は、まずは美術館、図書館、ショッピングセンタ、アセンブリルームになると、Mungenast氏は見ている。