August, 17, 2017, Pittsburgh--ディズニーリサーチ(Disney Research)は、アーティストやホビィイストがアニメキャラクターに物理的形態を与えるのに役立つケーブル駆動メカニズムの設計法を開発した。
ケーブルと結合部によりキャラクターの望ましい動きやポーズが可能になる。たとえ、芸術的な好みで、各結合部のモーターを設置することが実行不可能な四肢サイズが要求されても問題ない。ケーブル駆動メカニズムは、小さく軽量にして機能させなければならないロボットの手などのデバイスにも適している。
「コンシューマレベルの3Dプリンティングと安価な市販の電気部品が出てきているので、アーティストはアニメキャラクターの関節でつながった物理的なバージョンを造る機械装置が利用できるようになった。われわれのアプローチは、そのようなメカニズム設計的複雑さの多くを除去することである」とリサーチサイエンティスト、Moritz Bacherは説明している。
研究チームは、アニメキャラクターをいくつかの望ましい戦闘姿勢をとれる2D人形のようなバージョンを設計することで、この方法を実証した。また、それを使って軽いものを拾い上げる把持部(gripper)、対置できる親指を持つ簡単なロボットの手を設計した。
1本のケーブルは、引いて一方向に力を出すことしかできない。したがって、作動結合部は、両方向に動かすために2本のケーブルが必要になる。この場合、ディズニーリサーチチームは、人との接触を目的にしないデバイスを設計した。チームは、ケーブルの数、つまり結合部に組み込むスプリングの数を最小化しようとした。ケーブルの張力が弱くなった時に反対方向に動くようにするためである。
研究チームは、ETH Zurich、MIT、トロント大学の研究者の支援を得て、ユーザが骨組み、あるいは他の剛性リンクやヒンジのアセンブリを設計し、そのアセンブリで一連の目標ポーズを仕様化できるような方法を開発した。
その方法は次に、そのようなポーズを再現できるケーブルネットワークを計算する。まずは、大量のケーブル、一般には1000以上がランダム選択されたルーティング結合部を持つ。冗長ケーブルは、次に段階的に除去される。次にルーティングポイントを改良して、ポーズ間のパスを考慮に入れ、さらにケーブル数、その制御に必要な力の量も減らす。
2D“Fighter”を設計し構築する方法を使う際に研究チームは、キャラクターが正確に所望のポーズをとれることを示した。当初、下半身の設計に1600のケーブルが含まれた。その数は次に25秒で8に減り、さらなる改良にわずか181秒かけてケーブル数を3に減らした。
チームが設計して作製した2Dグリッパーは、持ち上げられるように設計された軽量な物体を拾い上げることができる。ロボットハンドは、3本の指と1つの親指を持ち、その方法が1次元以上でケーブルドライブ統合に利用できることを実証した。