July, 25, 2017, 東京--ジャパンプローブ株式会社 研究開発センター長の大平克己氏らの研究開発グループは、1024個の超音波受信用の圧電振動子を球面形状に配置した超音波センサを開発し、光超音波イメージング法によるリアルタイム3Dイメージングを実現した。
光超音波イメージングを用いてリアルタイムに3D画像を得るためには、超音波センサとして乗り越えるべき3つの技術課題がある。第1に3D画像を得るには超音波センサの受信面を計測対象に向けて取り囲むような球面形状とすること、第2にリアルタイム計測を実現するには微弱な超音波をできるだけ多くの位置で受信できるように超音波センサの球面に多くの圧電振動子を並べる、いわゆる多チャンネル化すること、第3に検出される超音波は観察対象サイズに応じて音響周波数が変化しているため、低周波数から高周波数までの広い超音波を受信することができるよう広帯域化すること。これらが必要。
従来の圧電振動子は、圧電効果を持つセラミックス製圧電振動子でできており、固いため、球面形状に成形することが困難だった。
今回開発に成功した超音波センサでは、モールド法を用いて、薄くフィルム状の圧電振動子のシートを作製することで、球面形状に多数の素子を配置することが可能となった。また、圧電振動子をコンポジット振動子にすることで、周波数帯域1MHz~4MHz以上の広帯域な受信感度を実現した。
(詳細は、www.jst.go.jp)