May, 31, 2017, 東京--東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の佐々木俊輔博士研究員(日本学術振興会特別研究員)、小西玄一准教授らの研究グループは、特定の組成を持つ化学物質を認識し、紫外光(UV)を照射すると蛍光が消光されて分解する、光トリガー分子を発見した。
この分子は青色発光色素で、これを架橋剤として用いて、光検出と光分解による形状変化でターゲットを確認できる高分子ゲルを開発した。これは、環境汚染物質であるトリハロメタン類を市販のブラックライト(UV光)を使うだけで、簡単に検出することができる。
今回用いた光トリガー分子は1,4-ビス(ジピペリジル)ナフタレンという青色発光色素。この色素は、クロロホルムでは蛍光消光・分解してしまうが、塩化メチレンでは青色発光し、分解しない。消光と分解は連動しており、2つの現象にはシナジー効果が観察される。
研究グループは、最近、溶液では光らず、固体になると発光する凝集誘起発光分子の新しい分子群と発光・消光メカニズムを発見。その発光メカニズムを詳細に検討する中で、いくつかの分子が今回の高分子ゲルに応用可能な光トリガーの性質を持つことを発見した。
研究成果は5月9日付け米国化学会「Macromolecules」に掲載された。
(詳細は、www.titech.ac.jp)