May, 22, 2017, Washington--共役ポリマの慎重な設計により光蛍光性ナノ粒子を造る方法をKAUSTの研究チームが開発した。
そのような微小ポリマベースの粒子は、医療イメージング用の蛍光タグとして、従来の有機染料や無機半導体量子ドットの代替となる。
共役ポリマから生成したナノ粒子、Pdotsは、オプトエレクトロニクス、バイオイメージング、バイオセンシング、ナノメディシンを含む、いくつかの分野を変革すると期待されている。これは、そのナノ粒子の強い蛍光性、光露光での高い安定性、低細胞毒性のためである。その分光学的特性は、ポリマ構造を調整することで変えられる。このことは、分子レベルでその設計を考えるうえで重要である。
バイオイメージングアプリケーションは、身体から除去できるほどに小さく、遠赤から近赤外範囲で強く発光するナノ粒子を必要としている。しかし、現在のPdotsの設計と製造は、ほぼ経験的なアプローチに依存しており、これらの超微小ナノ粒子製造の妨げとなっている。
こうした課題に応えるために、Dr. Hubert PiwońskiとAssociate Professor Satoshi Habuchiは、Pdotsの性能を強化する系統的な方法を提案している。研究チームは、共役ポリマを利用することで、より小さなサイズ、より高輝度の蛍光Pdotsの実現を目標にしており、単結合と多重結合が交替するそのバックボーンにより、いわゆるπ電子が構造全体を自由に動き回ることができる。
研究チームは初めて、プレーナ―の代わりに捻じれた共役ポリマをPdots生成の基礎的要素として選んだ。既存のPdotsは通常、その先行者よりも蛍光強度が弱い、これは粒子内で、複雑な鎖間、鎖内光物理相互作用の結果である。
Habuchiによると、このトライアルは当て推量であった。研究チームは、実際に何が起こるか知らないでプロジェクトを始めたが、以前に研究した類似物と比較してこのPdotsの蛍光挙動に驚いた。
暫定的結果は、新規合成ナノ粒子は、これまで報告された中で最小にして最高輝度のPdotsであったことを示唆している。「われわれは、粒子内のπ – π相互作用抑制により、分子の捻じれ形状がその高輝度蛍光に関与していると仮説を立てている」とHabuchiは説明した。
研究チームは、その仮説を包括的な光物理的、構造的特性により検証した。
(詳細は、dicovery.kaust.edu.sa)