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ファイバベースセンサで橋梁やダムの構造欠陥を迅速に検出

May, 16, 2017, Washington--ダムや橋梁など大型構造物の構造的健全性の連続モニタに分布センサを利用することに関心が高まっている。100万センシングポイントを持つ新開発のファイバオプティックセンサは、現状のものよりも構造欠陥の検出が著しく向上している。
 新しいセンサの開発チームの、アルカラ大学(UAH)、Alejandro Dominguez-Lopezは、「ファイバベースのセンサで、ダムが崩壊する前に腐食、亀裂を正確に検出することができる」と話している。「問題の早期発見で、問題の悪化を防ぐことが可能になり、避難の時間が増える」。
 光ファイバ分布センサは、過酷環境、電力の供給ができない環境で使用できるので、インフラストラクチャのモニタリングに適している。一本の光ファイバを、例えば、橋の長さに沿って設置すると、光ファイバに沿ったどのセンシングポイントでも構造物の変化が、ファイバを伝搬する光で検出可能な変化を起こす。光ファイバ分布センサの普及は拡大しているが、現状では主に石油パイプの漏洩検出、あるいは鉄道に沿ったがけ崩れのモニタリングに使用されている。
 OSAのOptics Lettersで、UAHとEPFLの研究グループは、10kmを超える光ファイバの100万センシングポイントで歪と温度変化を20分以下で検出できると報告した。歪、つまり変形の計測は、機械的な応力が構造物にどの程度かかっているかを示している。
 新しいセンサは、100万センシングポイントを持ち、以前に報告されたものの約4.5倍である。特別な数字があるわけではないが、センシングポイントが多ければ、構造物全体をモニタするのに必要なファイバオプティックユニットが少なくなる。これにより、全般的なセンシングスキームが簡素になり、コスト低減の可能性がある。
 その新しいセンサは、ブリルアン光時間ドメイン解析として知られるアプローチを採用している。ここではパルスと連続レーザ信号の相互作用が必要となる。研究チームは、連続信号を生成する従来法は、レーザ出力が高くなるとシステムに歪を起こすことを発見した。こうした問題は、レーザ信号を生成する方法を変えることで回避可能であり、これによりレーザパワーを強め、センシング性能を改善することがてぎる。
 新しいアプローチを用いて研究チームは、10km長の端から3℃以内でホットスポットの温度を計測できることを実証した。
 研究チームは、データ取得時間をさらに短くする方法を探究し、センサを高速化することに取り組んでいる。また、センシングポイントをセンチメートルあたり1個以上に高密度化しようとしている。これによりこの技術は生体医用アプリケーションなど全く新しい分野に拡大できる。
 光ファイバは繊維製品として利用することも可能であり、この場合、センサは人の健康モニタ、あるいば病気の検査に役立つ。例えば、光ファイバセンサを使って、乳がんに存在する温度偏差を検出することも可能になる。このタイプのアプリケーションでは、特別に長いファイバを使うよりも、もっと小さな領域にセンシングポイントを増やすことが重要になる。