May, 12, 2017, Karlsruhe--レーザ直描による3Dプリンティングで、正確に定義された特性を持つマイクロメートルサイズの構造を作製する。カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームは、3Dプリンティングに使用するインクを消去する方法を開発した。この方法で、100nmまでのサイズの微小構造が繰り返し消去とリライトが可能になる。この開発により、生物学、材料科学における3D製造で多くの新しいアプリケーションが期待される。
ダイレクトレーザ書き込みとは、コンピュータ制御集束レーザビームがペンのようにフォトレジストに構造を生成することを意味する。「消去できるインクの開発はダイレクトレーザ書き込みでは大きな課題の1つだった」とKITの化学技術・ポリマ化学研究所のChristopher Barner-Kowollik教授は話している。研究チームは、可逆的なボンディングが可能なインクを開発した。プリントされた構造は、それを化学溶剤に浸けることで容易に消去できる。消去するとすぐに、新たな構造書き込むことができる。こうしてその構造は繰り返し変更できる。
そのプロセスは、KITの応用物理学とナノテクノロジー研究所、Martin Wegener教授のグループと共同開発した。研究チームは、ダイレクトレーザ書き込みで100nmサイズまでのスカフォールドを生成する極めて特殊な3Dプリンタを開発した。
「明確な切断点を示すインクを様々なアプリケーションに使用することができる」と論文の筆頭著者、Markus Ziegerは話している。消去可能なインクで書かれた構造は、消去できないインクでできた構造に組込み可能である。3Dプリンティングで支持機構を作ることができる、これは橋を建設するときに利用し、後で取り除くものと同じである。また、生物学で使用する3Dデザイナシャーレの開発も可能である。最近では、KITはそのような構造を設計し、実験室規模で細胞培養を三次元的に行った。「細胞増殖中に、3Dマイクロスカフォールドの一部を再度除去して細胞が変化した環境にどのように反応するかを調べた」とMartin Wegenerは説明している。研究チームによると、将来的には消去可能な導電構造から可逆的なワイヤボンドを作ることができる。不変色インクを非不変色インクと混ぜて、プリントした材料の特性に影響を与え、例えば、それを程度の差はあるが、多孔質にすることができる。
(詳細は、www.kit.edu)