May, 11, 2017, West Lafayette--パデュー大学電気・コンピュータ工学、生物化学学部(Purdue University’s School of Electrical and Computer Engineering and the Department of Biological Sciences)准教授、Meng Cuiによると、膨大な数のニューロンを見ているときに、2000万、3000万のデータポイント数を計測する。「高スループットが極めて重要である。この数のニューロンを同時に、高速で、高い空間分解能で計測したいからだ」。
脳の働きをよりよく理解するために、活動している脳細胞の高解像度時間経過画像を撮る特殊なタイプの適応型技術が採用される可能性がある。
同システムは、他の方法で可能なよりも変化する細胞の生体プロセスの詳細を大きな視野で明らかにすることができ、脳の活動の研究に不可欠である「高スループット」を可能にする。
その方法は、マルチビューピル適応光学と言い、デフォーマブルミラー(可変鏡)、多くのファセットセグメントを含む「プリズムアレイ」によって実現されている。可変鏡は、光が生体組織を通過する際に起こる歪効果を弱めるために形状を変える。各セグメントは、顕微鏡の視野の異なる部分に対応して独自の画像を生成する。
研究チームがそのシステムを利用したのは、マイクログリアと言う脳細胞を撮像するためである。カルシウムに関わるニューロンの信号伝達過程、脳の血管系、「樹状突起棘」、ニューロンの構造は学習と脳細胞間のコミュニケーションにとって極めて重要である。研究成果は、Nature Methodsに発表された。
Cui氏は、「マイクログリア細胞は脳の健康を維持し脳卒中からの回復に重要である。樹状突起棘の高解像度生体内イメージングも神経科学では極めて重要である。カルシウムイメージングは、神経ネットワーク活動の生体内の大規模な記録に広く用いられてきた。これは、高速性と優れた画像品質の両方を必要とする」と話している。
細胞と生きた組織は、構造と物質の複合的組み合わせを含み、全てが異なる屈折率を持ち、これによって光が物質を透過し進む速さが規定される。この異質性のために細胞を透過する光により画像がぼやける。適応光学系の空間光変調器は、電圧を印加して形状を変えることによりこの歪み無効にし、屈折率の違いを調整する。しかし、従来の適応光学系は、一度に非常に小さな領域しかイメージングできないために限界があった。
Cuiは、「マルチビューピル適応光学は、この問題を解決する」と言う。
最初の研究では、3×3アレイ、9セグメントを含む。各々が1平方センチメートルである。現在のバージョンは、約10倍になっている。
このアレイサイズを36セグメント程度にすることで性能は一段と改善される。
(詳細は、www.purdue.edu)