May, 9, 2017, Livermore--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究グループと学会協力者は、3Dプリンティングによる透明ガラスの合成を実証した。これは、究極的にはオプティクスを組み込むデバイスやレーザの設計と構造を変えることになる開発である。
LLNL研究チームとは、ミネソタ大学(University of Minnesota)、オクラホマ州立大学(Oklahoma State University)の研究者は、3Dプリント透明ガラスコンポーネントの実現をAdvanced Materialに発表した。同論文では、これまで通常の製造工程では不可能だったガラス構造と組成を可能にする3Dプリンティング技術について説明している。
他の研究機関がガラスの3Dプリンティングについて説明しているが、これまでの説明は、加熱したプリントヘッドから溶融ガラス繊維を押し出す、あるいはレーザを使って選択的にガラス粉末を溶かし溶融させる必要があった。こうした方法では、プリンティングプロセスの短い加熱時間では粉末や繊維は十分に融合しない。したがって、光学アプリケーション適さない穴だらけ、あるいは不均質になる。
LLNLのアプローチは、溶融ガラスのプリンティングに依存しない。その代りに、研究チームは高度に制御されたフロー特性によりガラス粒子の高濃度懸濁液から形成される特注インクを作製した。したがって室温でプリント可能である。プリントされたコンポーネントは、慎重に設計された熱処理によりパーツを高密度化してプリンティングプロセスの形跡を除去する。最後に、加工パーツを光学品質研磨する。研究チームによると、このアプローチは光学的均質性達成確率を向上させる。
LLNLの方法は、ダイレクトインクライティングプロセスから押し出されたシリカ粒子の「懸濁液」を利用する。プリントされた製品は不透明であるが、乾燥と加熱処理後に透明になる。溶融ガラスによる3Dプリンティングと対照的にこのアプローチは、プリンティング中に高熱を必要としないので、高解像度特性が得られる。
この研究では、単一のフラットな光学部品で、異なる屈折率をもつガラスをプリントできる。同様のレンズ特性を達成するために、一定の組成ガラスを必要とする特殊形状とは対照的である。組成をプログラムできるため、プリントされたコンポーネントは仕上げが簡単であり、安価である。
「複雑な、あるいは非球面レンズの研磨は大変な労力と技術を必要とするが、フラット表面の研磨は遥かに容易である。プリントパーツの屈折率を制御することで、光の屈折を変えることができる。これが、研磨された平坦なレンズで可能になる」と材料エンジニア、Du Nguyenは説明している。
(詳細は、www.llnl.gov)