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抗ウイルス剤なしの新しいインフルエンザ検出技術

May, 8, 2017, Notre Dame--ノートル大学(University of Notre Dame)の研究チームは、インフルエンザを肉眼で見えるようにする方法を発見した。ウイルスの特定酵素を標的にするように色素分子を設計することにより、ハンドヘルドランプまたは青色レーザポインタで照射すると蛍光を発するテストキットを開発することができた。
 研究チームは、感染した患者のサンプルを真似たテスト試料を使用し、インフルエンザウイルスから純化したノイラミニダーゼという酵素でサンプルをスパイクさせた。サンプルは、インフルエンザウイルスのプラス標示として赤色蛍光を発する。青色蛍光はマイナス結果を示す。同じプロセスにより研究チームは、2つの認定済み抗ウイルス剤のどちらが、個別患者のよりよい処置であるかを判定できた。
 まだプロトタイプではあるが、研究チームは、最適化により診療現場や家庭環境で迅速かつ簡単な、インフルエンザの存在をテストできる診断を開発できると考えている。
 「ウイルス培養は、インフルエンザの診断では標準であるが、開発には数日を要する。ウイルスを有する酵素を標的にし、またサンプルにウイルスが存在することを特定することで、患者のインフルエンザを迅速に判定することができる。これにより、患者の治療を改善する効率的で素早い診断ができ、抗ウイルス剤の使い過ぎを防げる」と論文の共著者、Bradley Smith教授はコメントしている。
 研究チームは、ウイルスの表面に見つかるノイラミニダーゼを検出する新たな方法を開発した。ノイラミニダーゼと相互作用するときに赤色蛍光を発する色素分子を設計することからスタートした。酵素認識の検証に続いて研究チームは、インフルエンザの処置に使われる2つの抗ウイルス剤でその色素をテストした。抗ウイルス剤は、ノイラミニダーゼ抑制剤である。色素とノイラミニダーゼを含むサンプルは、個々の抗ウイルス剤と結合され、光を照射された。赤色蛍光は、酵素がまだ活発であることを示し、抗ウイルス剤がその患者のウイルスを抑制できなかったことになる。青色は、酵素が阻止され、効果的な処置選択であることを示している。
(詳細は、www.nd.edu)