April, 24, 2017, Cambridge--MIT Media Labの研究チームは、圧縮技術を使って50倍高効率に画像を作成する新技術を開発した。シングルピクセルカメラの場合、露出数を数千から数10に低減することができる。
圧縮センシングは、信号から膨大な量の情報を引き出す素晴らしいコンピュータ新技術である。例えば、注目されたデモンストレーションでライス大学の研究チームは、コモディティカメラの数100万の光センサではなく、わずか1個の光センサを使って2D画像を生成できるカメラを作製した。
しかし画像取得に圧縮センシングを利用することは効率的ではない。その「シングルピクセルカメラ」は、満足のいく鮮明な画像を生成するために数千の露出を必要とするからである。MIT Labの研究チームは、50倍高効率の圧縮センシングを使って画像を取得する新技術を発表した。シングルピクセルカメラの例では、それは数千の露出数を数10に落とすことができる。
圧縮センシングシステムの素晴らしい側面の1つは、従来のカメラと違い、レンズが不要であることだ。したがって、過酷環境あるいは可視スペクトル外の波長を使うアプリケーションで使えるようになる。レンズをなくすことは、イメージングシステムの設計に新たな展望を開く。
「以前は、イメージングはレンズを必要としており、レンズがセンサアレイに空間的ピクセルをマッピングしていた、これによってあらゆるものが精密に構造化され作り上げられた」と論文の筆頭著者、Guy Satatは説明している。
その技術は飛行時間(TOF)イメージングを利用するが、いささか環状的である。潜在的なアプリケーションの1つは、TOFカメラの性能向上。例えば、医療診断や車のナビゲーションで、曲がり角が見えたり、可視光イメージングシステムである。
シングルピクセルカメラでは、光がパターン化されている。光をパターン化する1つの方法は、シーンを照射するフラッシュの前に、ランダム化した黒-白のチェックボードのようなフィルタを置くことである。別の方法では、微小なマイクロミラーアレイからの戻り光を跳ね回らせ、その一部が光センサに当たったり、当たらなかったりする。
センサは、1回の計測しかしない。入力光は累積強度であるが、計測の回数が十分に多いと、つまり光が計測ごとに異なるパターンを持つと、ソフトウエアが、シーン(場面)の個々の点からの反射光の強度を推定する。
シングルピクセルカメラでは、センサのピクセルが多ければ多いほど圧縮センシングは高性能であった。また、ピクセルが離れていればいるほど、計測における冗長性は少ない。
TOFイメージングは本質的に1計測を、1つの光パターンで、数兆分の1秒離して、数10計測にする。さらに、個々の計測は最終画像ではピクセルのサブセットに対応している、等距離で対象物を表現するピクセルである。すなわち、個々の計測でデコードするための情報がより少ないということである。
(詳細は、www.mit.edu)