April, 14, 2017, Los Alamos--メキシコの量子ドットメーカー、UbiQD, LLCは、可視光から近赤外(NIR)までの広いスペクトル範囲(ピーク発光550~1000nm)にわたり、同社の量子ドットが量子収率、光学的効率で80%超を達成したと発表した。
オレンジ(600nm)と深紅(800nm)の間の色では、同社はほぼ100%の量子収率に最適化された量子ドットを製造している。この成果により、UbiQDの材料は、カドミウムを含まない量子ドットでは、これまでに報告された中で最高のフォトン変換効率となる。カドミウムは、その毒性で知られており、現在、多くの量子ドットメーカーが使っている。同時に、今回報告された新しい量子収率は、現在存在する最良のカドミウムを含むナノマテリアルに匹敵する。
高い量子収率の利点は、照明、ディスプレイ、セキュリティ、バイオテクノロジー、デザインを含むあらゆる量子ドットアプリケーションにプラスの影響をもたらす。UbiQDの特許技術には多くの潜在的な市場があるが、同社の重点は「太陽電池用発光型集光器」として知られる製品を使った発電ウインドウの実現である。2016年7月、UbiQDは、全米科学財団(NSF)から、近赤外量子ドットを組み込んだ太陽電池用発光型集光器の開発を目的に中小企業技術革新制度(SBIR)助成金を獲得した。
UbiQDは先ごろ、1平方フィートのプロトタイプ太陽電池用発光型集光器ウインドウをテストした。これには、ハイパフォーマンスガラス量子ドット複合材料が用いられている。同社は、今年後半、市場でその技術を評価するためのパイロットプロジェクトを計画している。