April, 10, 2017, Kiel--光は、それが光らせる材料に依存して吸収が異なる。キール大学(Kiel University)材料研究者を含む国際研究チームは、独自の広い波長範囲で光を吸収できる複合ハイブリッド材料を開発した。それだけでなく、その材料は、光を散乱する。これは産業応用にとって興味深い点である。LEDsの継承者としてのレーザ光に向けたオプトエレクトロニック技術における重要な一歩を意味する。
キール大学材料科学研究所、Rainer Adelung教授の機能材料グループのサブグループリーダー、Dr. Yogendra Mishraによると、同グループはテトラポッド作製の専門技術を持つ。「新しい方法でテトラポッドを作製し、炭素と無機材料のハイブリッド材料を開発し、紫外から赤外までの広い波長範囲の光を吸収できることを実証した。また、光を散乱させることもできる。われわれの材料の複合3Dテトラポッドアーキテクチャは、光をあらゆる方向に散乱させる」。
そのハイブリッド材料の散乱効果は、自動車産業のオプトエレクトロニック技術でレーザベースの照明を用いるには緊急に必要とされている。「最新の光技術製品は、多くの無駄な熱を出すことなく可能な限り明るくなければならない。今日のLEDは優れているが、強力なレーザベースの光が最も効率がよい」と材料科学者、Mishra氏は指摘する。レーザベースの照明が、産業の広いアプリケーションでまだ実現されていない理由は、まさにその出力である。その出力は眼に損傷を与える可能性がある。
したがって、国際研究チームは、レーザ光のパワーを維持しながら、その輝度を下げることができるハイブリッド材料素子の開発に取り組んできた。それが、新しいハイブリッド材料の複合3Dテトラポッドアーキテクチャの効果である。これは共同開発されたものである。ハンブルク工科大学で、キール大の酸化亜鉛テトラポッドは炭素アエログラファイトテトラポッドに変換された。モルドバ工科大学チームは、特殊スパッタリング装置を用いて、膨大な量の微小酸化亜鉛ナノクリスタル(テトラポッド形状)をその表面にスパッタリングした。結果は、酸化亜鉛ナノテトラポッドで覆われたアエログラファイトマイクロテトラポッドで構成される、すばらしい空間的アーキテクチャを持つハイブリッド材料である。コペンハーゲン大学とシドニー大学のチームは、新開発のナノマテリアルの様々な特性を調べた。
「酸化亜鉛アエログラファイトハイブリッドアーキテクチャ材料は技術的に非常に重要であり、われわれの目標は経済的な製造アプローチを開発すること、その固有の特性を適切に理解することであった」とモルドバ工科大学のIon Tiginyanu教授はコメントしている。
(詳細は、www.uni-kiel.de)