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マイクロプロセッサの処理速度を劇的に改善する多チャネルナノ光デバイス

April, 4, 2017, Daejeon--並列で使用するマイクロプロセッサの問題として、プロセッサ間の電気接続が遅くなり、データ転送のボトルネックとなっていることがある。これを解決するために、CMSD (Center for Molecular Spectroscopy and Dynamics)の副所長、Choi Wonshik氏をリーダーとする研究チームは、画期的なデバイスを開発した。
 研究チームは、ナノアンテナを周期的に配列する従来の方法を放棄し、代わりにアンテナの無秩序配列を考案し、アンテナ間の冗長性を最小化した。これにより、各アンテナは独立に機能することができる。その結果、デバイスは既存の周期配列アンテナよりも帯域幅を40倍拡大できる。「ナノスケールマイクロプロセッサを超高速光通信に接続する新しい方法を提案している」とDr. Choiは話している。
 研究チームは、表面プラズモンを使って光電信号伝達を媒介した。ナノアンテナでは、光信号は表面プラズモンに変換され、次に金属表面を電気信号として伝搬する。研究チームは、ナノアンテナをランダムに配列し、個々のアンテナから生成する表面プラズモンは多重散乱してアンテナ間の冗長が最小化された。こうすることで、各アンテナを独立に使用することができ、結果的にアンテナの有効数が40倍以上に大きく増加した。アンテナ数の増加は、MIMO通信における多重入力数の増加を意味するものであり、これは情報伝達帯域幅の増加になる。
 アンテナの無秩序配列のメリットを活用するには、研究チームは固有の問題を解決しなければならなかった。ナノアンテナを無秩序配列することによるランダムな多重散乱は予測することができない。また、特別な処置なしでは情報伝達には使えない。研究チームは、様々な光入力の多重散乱表面プラズモンのパタンを解析し、所望の信号を特定のマイクロプロセッサに送ることができる特殊な入力信号を見出した。空間光変調器を使って確実な光入力信号を生成すると、表面プラズモンを自由に制御することができる。Dr. Choiは、「これを使うことで、信号を同時に6つの異なるマイクロプロセッサに伝達できることを証明し、光画像がプラズモンに変換されることを証明した」と説明している。