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光を使ってプラスチックの曲率を遠隔制御

March, 28, 2017, Grapevine--ノースカロライナ州立大学(NC State)の研究チームは、2Dプラスチックシートを曲げて3D構造、球、チューブあるいはボールなどにする技術を開発した。
 この成果は、同じ研究チームの以前の成果、自己折り畳み3D構造に立脚している。ここでの優位点は、プラスチックを鮮明な線に沿って立体やピラミッドなどの多角形に折りたたむのではなく、プラスチックが曲がることである。
 以前の研究では、予め変形したプラスチックシートに黒い線をインクジェットプリンタで印刷し、そのプラスチックシートを所望のパターンに切断して赤外光の下に置く。
 印刷した線が、材料の残りの部分よりも赤外光から多くのエネルギーを吸収し、プラスチックが加熱されて収縮し、シートを折り畳んで3D形状にするヒンジができる。プリント線、つまりヒンジの幅を変えることで、ヒンジがどこまで、いかに素早く折り畳むかを制御することができる。この技術は商用印刷技術に適合している。
 今度は、研究チームは同じアプローチを使って全く異なる結果を達成しようとしている。
 「材料表面の線の数やIncの分布を制御することで湾曲形状をいくつでも造ることができる。その形状の全てが等量のIncを使う、プラスチックのどこにインクが配置されているかだけである」と研究チームのMichael Dickey化学・生体分子工学教授は説明している。
 研究チームによると、自己湾曲材料に取り組んでいる他の研究者も存在するが、彼らはハイドロゲルのような柔らかな材料を使用している。「われわれの研究は、熱可塑性プラスチックを使用する初めての試みであり、これはソフト材料よりも強力で硬い。したがって、物をつかむなど、実用的用途ではより魅力的である」とPh.D学生、Amber Hubbardはコメントしている。
 研究チームは、コンピュータモデルも作成し、どんな印刷パターンで造るとどのような3D形状になるかを予測することができる。