March, 10, 2017, 東京--理化学研究所(理研)などの共同研究チームは、理研が開発した光波長変換技術による小型・室温動作・高感度テラヘルツ波検出装置を用いて、東工大が開発した共鳴トンネルダイオードからのテラヘルツ波放射を高感度に検出することに成功した。
研究チームは、理研光量子工学研究領域テラヘルツ光源研究チームの瀧田佑馬基礎科学特別研究員、縄田耕二基礎科学特別研究員、南出泰亜チームリーダーと東京工業大学(東工大)科学技術創成研究院の浅田雅洋教授、同大学工学院の鈴木左文准教授他で構成されている。
共同研究チームは、将来の標準的な小型・室温動作・連続発振テラヘルツ波光源として期待されている共鳴トンネルダイオード(RTD)から発生したテラヘルツ波を、光波長変換によって検出する実験を行った。その結果、RTDから放射されたテラヘルツ波を近赤外光に光波長変換して検出することに成功し、周波数1.14THzのとき最小検出可能パワーとして、約5ナノワット(nW)の高感度検出を実現した。これは、従来の光波長変換による検出と比較して100倍以上高い感度。また、光波長変換技術を用いることで、RTDの発振周波数および出力を測定できることを示した。
今回用いた実験装置はすべて室温で動作するため、生活環境で使用可能な、テラヘルツ波領域の小型非破壊検査装置の実用化につながると期待される。
(詳細は、www.riken.go.jp)