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シングルグラフェンデバイス変調器

March, 9, 2017, Geneva--ジュネーブ大学(University of Geneva)の研究チームがグラフェンを利用した技術を完成させ、テラヘルツ波が正確に制御できるようになった。これは多くのアプリケーションに道を開く成果である。
 ジュネーブ大学(UNIGE)の研究チームは、Federal Polytechnic School in Zurich (ETHZ)とスペインの2つの研究チームと協力して、グラフェンベースの技術を開発した。これにより、テラヘルツ波の強度と偏向の両方を高速制御できるようになる。
 グラフェンは、ハニカム構造の炭素原子の単原子層。UNIGEのチームは、数年前からグラフェンの物理的な特性を研究している。「テラヘルツ波とグラフェン内の電子との相互作用は非常に強く、テラヘルツ波の操作にグラフェンを使用する可能性を仮定するようになった」とAlexey Kuzmenkoは説明している。
 研究チームはグラフェンベースのトランジスタをテラヘルツ波に適用した。「電界は、グラフェンの電子を制御して多かれ少なかれ光を通過させることができるので、これを電子軌道を曲げることができる磁界と結合するこで、テラヘルツ波の強度だけでなく、偏向も制御できるようになった。純粋な電界効果を使って磁気現象を制御するのは稀である」と研究チームのJean-Marie Poumirolは説明している。研究チームは、今度はテラヘルツ波の全域にそのような制御を適用できる。

テラヘルツ波の実用的応用
現在、UNIGE研究チームの焦点は、プロトタイプから脱して、テラヘルツ波の制御による実用的なアプリケーションや新しいチャンスを開発することである。目標は数年内に、テラヘルツ波に産業的競争力をつけること。このイノベーションには2つ主要なアプリケーション領域がある。1つは通信。「テラヘルツ波と関連させてグラフェン膜を使うことで、WiFiや無線の10~100倍高速に情報を安全に送ることができ、短距離安全通信が可能になる」とPoumirolは説明している。
 これは通信では大きな利点となる。アプリケーションの二番目は、イメージング。テラヘルツ波は非電離であるので、DNAを変えることはなく、医療、生物学、薬学で非常に有益である。加えて、テラヘルツ波の円偏向制御により生物分子の異なる対称性間の区別ができる(左手または右手)、これは医療応用では非常に重要なアプリケーションである。
 さらに、国家安全保障ではテラヘルツ波は潜在的に非常に強力なアプリケーションがある。「テラヘルツ波は金属によって止められ、プラスチックや有機物質に感度がある。これは、個々人が携帯している小火器、ドラッグ、爆発物を検出する、より効果的な手段になり、空港の安全性強化のツールとして役立つ」。