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NUS研究者、ローコストでフレキシブルTHz光源を開発

February, 20, 2017, Singapore--シンガポール国立大学(NUS)電気コンピュータ工学、ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究所の研究チームは、高性能、低電力駆動THzエミッタを開発した。これはローコスト量産できるものであり、THz技術の産業応用の重要課題に対処できる。THz波生成に使用されるこのTHzエミッタは、性能に妥協することなく柔軟表面でも機能する。
 論文の筆頭著者、Dr Wu Yangは、「従来のTHz波生成法、EO結晶励起あるいは光伝導アンテナを利用する方法は、高価で大きな高出力レーザ、あるいは極めて高価で高度なデバイス製造工程を必要とすることがある。われわれのチームのTHzエミッタは、既存デバイスと比べて多くの点で性能が優れている。同時に、これら新しいTHzエミッタを低コスト量産する製造工程も開発した」とコメントしている。
 厚さ12nmの金属薄膜ヘテロ構造を用いて開発した新しい光源は、標準的な500µm厚リッジEO結晶エミッタよりも高出力で広帯域THz波を出力する。加えて、この新しいエミッタはローパワーレーザで駆動できるので、動作コストは大幅に低下する。
 研究チームは、そのエミッタを製造するための新しいローコスト製造技術も開発した。大型ウエファスケール膜を堆積し、続いてすぐに使えるデバイスサイズに大量ダイシングできるので、この製法は商用的に拡張性がある。さらに、研究チームはそのデバイスを湾曲面でテストし、大きく湾曲していてもその性能が低下しないことを確認した。
 さらに前進するために研究チームは、この先進的THzエミッタをベースにしたTHz技術を利用してコンパクトな分光システムを構築することを計画している。また、特定波長にためのTHz放出を強化することも視野に入れている。これにより広範なTHz関連研究やアプリケーションが恩恵を受けることになる。