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NASA、シリコンベースX線オプティクスを開発

February, 15, 2017, NY/San Jose--NASAの研究者、William Zhangは、シリコンを使って軽量、高分解能X線ミラーを製造する技術を開発し実証した。
 Zhangは、繰り返しテストで、単結晶シリコンがX線光部品として極めて有効であることを示した。
 宇宙天文台、これは大きく重くなればなるほどコスト高になるが、その建設コストを考えると、目標は、品質を犠牲にすることなく、簡単に再生産できる軽量のオプティクスの開発である。Zhangによると、シリコンの利用によりX線天文物理学は、長い間求めていたものを低コストで入手することができる、すなわち、著しく大きな集光エリアを持ち飛躍的に分解能を改善する軽量で超薄型のミラーである。
 今日まで、これらすべての性能目標に対処するX線ミラーを作製したものはいなかった。さらに、だれもシリコンを研磨してX線オプティクスにしようと考えたものはいなかった。X線オプティクスは、湾曲していてキャニスタのようなアセンブリに組込み、高エネルギーのX線フォトンを集光しなければならないからである。この特殊な構成により、X線はミラー表面を透過するのではなく、池の水面に投げた小石が水切りするようにかすめる。
 シリコンは切断しても温度変動に晒しても曲がらないので実用的なソリューションである、とZhangは指摘する。
 ミラーを作る従来の材料、ガラス、セラミック、金属は、内部応力に悩まされる、特に切断したり温度変動に晒される時である。これらの応力は、ミラーが薄くなるにともない、ますます予測しがたくなる。
 Zhangは、「単結晶シリコンは、宇宙飛行X線ミラー作製に非常に優れた材料である。安価であり、内部応力の影響を受けない」と指摘する。
 4年前、Zhangは新しい製造技術を使ってNASAのNuclear Spectroscopic Telescope Array(NuSTAR)ミッション向けに、9000の超薄型、湾曲ガラスミラーを作製した。その技術では、薄い市販ガラスピースをマンドレルに設置して、オブン内でアセンブリ全体を加熱する、いわゆるスランピングという工程である。ガラスが熱せられると、柔らかくなり、湾曲したミラーができる。それをコペンハーゲンのデンマーク工科大学がシリコンとタングステン層で被覆してX線反射率を最大化する。
 Zhangの新しいプロセスは、ガラススランピングを通じて習得したものから生まれた。同氏は、取り扱いから生まれる歪を除去するためにシリコンブロックを加熱する。バンドソーでおおよその形状を作り、他の加工具や薬品を使ってブロックの表面をさらに削り、仕上げる。チーズをスライスするように、ブロックから、厚さ1インチの数分の1の薄い基板をカットし、その表面を研磨する。最後のステップは、反射率向上にためにイリジウムで個々のセグメントをコーティングする。
 NASAの資金を得て、研究チームは、6000のミラーセグメントを整列して接合する技術を完成させ、ミラーアセンブリ内部に組み込むメタシェルを形成する。重さは、約200ポンド、高さはわずか1.6フィート。最終的には、6メタシェルを作り、アライメントプロセスを自動化する予定である。
(詳細は、www.nasa.gov)