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最先端量子ドット技術でマウス生体内の脂肪由来幹細胞イメージングを実現

January, 24, 2017, 名古屋--名古屋大学大学院工学研究科化学・生物工学専攻の馬場嘉信教授、湯川博特任講師らの研究グループは、同研究科結晶材料工学専攻の鳥本司教授の研究グループ及び、同大学院医学系研究科医療技術学専攻の石川哲也教授の研究グループらと共に、4Kディスプレイや太陽電池に応用されている最先端量子ドット技術を駆使して、iPS細胞等の幹細胞に対してより安全な量子ドットZnS-ZAIS-COOH(ZZC)を開発した。またこれを用いて、マウス生体内の移植幹細胞を高感度可視化(イメージング)することにも成功した。 
 通常、有機系色素や蛍光タンパク質は、蛍光強度が低く安定性も乏しいため、これら蛍光プローブを利用して生体内の移植幹細胞を高感度にイメージングすることは極めて困難だった。一方、従来の量子ドットにはカドミウム等が含まれているため、幹細胞や生体への毒性が懸念され、利用に制限がある。
 今回開発した量子ドットZZCは、カドミウム等の毒性成分を含まないため、従来の量子ドットと比較して細胞毒性が100分の1程度まで大きく低減され、且つ、低コストでの大量生産も可能となる。開発したこの量子ドットZZCを用いることで、より安全な幹細胞標識に加え、高感度な生体内の移植幹細胞イメージングを実現することができた。これにより、多くの幹細胞を標識して追跡する必要がある前臨床試験での利用が、低コストで可能となり、今後の再生医療の実現・加速に大きく貢献できると期待される。
(詳細は、www.amed.go.jp)