November, 24, 2016, London--ユニバーシティカレッジ・ロンドン(UCL)の新たな研究によると、2Dナノマテリアルは溶液に層状材料を溶かして造られる。溶液は、ローコスト、大面積2Dナノマテリアルに使用でき、これによって将来の多様な重要アプリケーションが可能になる。
グラフェンのような2Dナノマテリアルは、その際立つ物理的特性により技術革新につながる可能性があるが、実世界のアプリケーションにするには限界がある。2Dナノマテリアルを産業規模で製造し、操作することが簡単ではないからである。
Nature Chemistryに発表された新しいアプローチでは、多くの2Dナノマテリアルの単層を大規模に製造する。研究チームは、半導体や熱電特性を持つ材料を含め、広範な材料にその方法を適用して2D材料を作製した。これらは、例えば、太陽電池、廃熱エネルギーを電気エネルギーに変換するために使用することができる。
研究チームは、ビスマステルライド(Bi2Te3)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化チタン(TiS2)を含む様々な材料層の間にプラスに帯電したリチウムとカリウムを挿入し、個々の層を負電荷にして「層状材料ソルト」を作製した。
これらの層状材料ソルトは、選択された溶媒の中でゆっくりと溶解した。化学反応もかき回すことも不要である。これにより2Dナノマテリアルシートができた。出発材料と同じ形状であるが、負電荷をもっている。
研究チームは、AFMと透過型電子顕微鏡を使って溶液の内容を分析し、2Dナノマテリアルの構造と厚さを調べた。層状材料は、溶液に隔離されてきれいな、損傷のない単層の小さなシートに溶解していることが分かった。
研究チームは、数100万の原子からなる2Dナノマテリアルシートでさえも、懸濁液よりも安定な溶液であることを実証することができた。