March, 3, 2014, Buffalo--国際的な研究チームは、超薄半導体が吸収する光の量を増加させる光「ナノキャビティ」の開発を進めている。
半導体業界は、半導体のサイズを縮小することで小型で強力なオプトエレクトロニックデバイスに対する要求に応えようとしているが、問題は、超薄型半導体は従来のバルク半導体ほど光を吸収しないところにある。超薄型半導体の光吸収能力と、電気を生成する能力との間には固有のトレイドオフが存在する。
そのため世界中の研究者が、超薄型半導体が吸収できる光の量を増やす方法を見つけ出そうとしている。ハーバード大学の研究チームは、金表面にゲルマニウム薄膜をつけることで様々な成功の度合いを示した。
中国の復旦大学材料科学助教授、Suhua Jiang氏は、「結果はすばらしいものであるが、金は最も高価な金属の1つだ。われわれは、もっと安価なアルミや他の白色金属、合金でできたナノキャビティを使って半導体材料が吸収する光の量を増やせることを例証した」とコメントしている。
そのナノキャビティは、下から上に、アルミ、酸化アルミニウム、ゲルマニウムでできている。実験では、光が1.5~3nmのゲルマニウムを透過し、閉じたパスの中を酸化アルミニウムとアルミを通して周回した。
吸収率は最高90%、ゲルマニウムが青・グリーンの光を約80%、残りをアルミニウムが吸収した。論文の筆頭著者、Haomin Song氏は、「ナノキャビティの潜在的なアプリケーションは多い。例えば、光の吸収量を増やして太陽電池が集光できるようにする。高速応答が必要なセキュリティ用途のカメラセンサに埋め込む。また、光触媒水分解にも役立つ特性があり、水素燃料実現に使える」と話している。
ただ、これらを実現するには、さらに研究を進める必要がある。
(詳細は、 www.buffalo.edu)