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オスラム、自律走行車用に最先端の4-ch短パルスレーザを開発

November, 10, 2016, Regensburg--エレクトロニカ(electronica) 2016でオスラム(Osram Opto Semiconductors)は、LIDARシステムを自律走行、半自律走行に一歩近づける4-ch レーザを紹介している。
 プロトタイプレーザは、短パルスで4パラレル出力チャネルを持つ。したがってこれは、対象物の検出に全く新しいオプション、独自の垂直検出ゾーンを提供する。現在のレーザ技術におけるこのような成果が、MEMSベースのスキャニングLIDARセンサで初めて利用されることになる。そのようなソリューションは、摩耗や裂け目の影響を受けにくくするようにレーザビームの方向を変える機構を全く必要としない。インフィニオン(Infineon Technologies AG)の子会社でレーザスキャニング技術のスペシャリストであるInnoluceとともにOsramはLIDARシステムの今後の展開を紹介している。
 LIDARセンサは、将来の完全自律走行、半自律走行車にとって不可欠な要素。このシステムは飛行時間(TOF)計測原理で動作する。レーザ短パルスが送出され、対象物に当たり、反射され、センサで検出される。レーザビームの飛行時間から対象物までの距離を計算することができる。スキャニングLIDARシステムは、一定角度のレーザビームで車の周囲を水平スキャンし、周辺環境の高分解能3Dマップを作成する。ほとんどの場合、現在のスキャニングLIDARシステムのレーザビームは機械式の可動ミラーで偏向される。ソリューションの中には、垂直視野を広げるために他のレーザの上にマウントした複数のレーザダイオードを利用するものもある。

4-chレーザバーが調整を簡素化
 オスラムの4-ch LIDARレーザは、個別にコントロールできる4個のレーザダイオードを持つレーザバーとモジュール内蔵の制御回路で構成されている。モジュール全体は表面実装可能であり、これによってアセンブリコストが下がり、顧客の微調整に必要な時間が短縮される。

光出力向上と極短パルス
 新しいレーザではOsramは、波長905nmのパルスレーザダイオードを改善した。ナノスタックレーザダイオードは現在、30Aで最大光出力85W、これは以前よりも約10W高出力になっている。
 パルス長5 nsは、以前の20nsから目覚ましい進歩である。短パルスと0.01%と言う小さなデューティサイクルは、そのように高出力でも関連するアイセイフティ基準要件を確実に満たしている。動作電圧24Vでレーザは、車両での利用要件も満たしている。

初のMEMS利用レーザ
 短パルス長のため、4-ch LIDARレーザにより初めてMEMSで光ビームを偏向するスキャニングLIDARシステムが可能になる。Innoluceが開発した2.7×2.3㎜2 MEMSチップは最大2 kHzで動作する。同システムは、水平120°、垂直20°の視野をカバーし、水平分解能は0.1°、垂直分解能は0.5°。日中の車両検出範囲は少なくとも200m、歩行者検出は70m。
 新しい4-ch LiDARレーザが利用可能になるのは2017年夏の早期、市場投入は2018年の予定。
(詳細は、www.osram.com)