October, 20, 2016, Karlsruhe--光量子コンピュータは未来のコンピュータ技術の希望の源である。Nature Photonicsによると、研究者たちは初めて、完全な量子光構造をチップに乗せることに成功した。これは、光量子コンピュータでフォトニック回路を利用するための1つの条件を満たしたことになる。
カールスルーエ工科大学(KIT)のRalph Krupke教授は、「光量子技術の適用性を探るこれまでの実験は、完全に実験室空間と断ずることが多かった。しかし、この技術が意味のある用いられ方になるには、微小空間に収容されなければならない」とコメントしている。
研究チームが初めて量子光回路に使用した光源は、特殊カーボンナノチューブ(CNT)でできていた。直径が人の髪の毛の10万分の1で、レーザ光で励起すると1個の光粒子を放出する。フォトンは、光量子とも呼ばれる。ここでは「量子フォトン」だ。
シングルフォトンを放出するそのCNTによって、それは光量子コンピュータ用の超コンパクトで魅力的な光源になる。「とは言え、レーザ技術をスケーラブルなチップに収容することは簡単にはできない」と物理学者、Wolfram Perniceは認めている。システムの拡張性、すなわちその数を増やせるようにコンポーネントを微小化できることは、この技術が光量子コンピュータに至る強力なコンピュータで利用されるための前提条件である。
チップ上の全ての要素は、電気で始動し、もはやレーザシステムを追加する必要はない。これは、通常使用される光励起と比べると、システムの著しい簡素化である。「シングルフォトン光源、ディテクタ、導波路が統合されたスケーラブルなチップの開発は、研究の重要な一歩である」とRalph Krupkeは強調している。同氏は、KITナノテクノロジー研究所、ダルムシュタット工科大学(Darmstadt Technical University)材料科学研究所の研究者。「カーボンナノチューブ(CNT)の電気励起によりシングルフォトンが放出できることを示すことができたので、これまで潜在的な適用性を阻んできた制限要素を克服した」と同氏は話している。
方法について研究チームは、CNTを通した電流がシングル光量子の放出を起こすかどうかを調べた。この目的のために、シングルフォトン光源としてCNTを、ディテクタとしては超伝導ナノワイヤ、それとナノフォトニック導波路を用いた。1個のシングルフォトン光源と2つのディテクタはそれぞれ1つの導波路に接続されている。その構造は、液体ヘリウムで冷却し、シングル光両氏がカウントされるようにした。チップは、電子ビーム描画デバイスで作製した。
研究チームの成果は基礎研究である。それが実用的なアプリケーションにつかなガルかどうかはまだはっきりしない。