February, 28, 2014, Richland--パシフィック・ノースウエスト国立研究所(PNNL)およびローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究チームは、XFELを使うことで既知のタンパク質の約25%の構造を詳細に知ることができるようになるという研究成果を発表した。
このX線は、SLAC国立加速器研究所の線形加速器コヒレント光源(LCLS)で生成する。LCLSは現在世界で最も強力なX線レーザ(XFEL)であり、以前のX線光源よりも何百万倍も高輝度のビームを生成する。
XFELを使ってタンパク質単分子層をはっきりと見るためには、分解能を1~3オングストロームに改善する必要がある。また、様々な角度でタンパク質の画像を撮る必要がある。これらは、現在研究チームが取り組んでいる。
過去10年、研究者たちはX線が十分に高輝度で、強力なX線によってもたらされる損傷を制限できる程度に素早くON/OFFできれば、1シートのタンパク質を可視化できると言う考えを追求してきた。2年前、研究者たちは、15~20シート厚のタンパク質結晶にXFEL技術が使えることを実証した。
PNNL顕微鏡学者、James Evans氏、物理学者Mattias Frank氏の研究チームは、2つの異なるタンパク質、ストレプトアビジンとバクテリオドプシンの1シート厚結晶を造る方法に取り組んだ。両方のタンパク質の構造は研究者にはよく知られており、研究者に結果を比較する材料を提供した。
研究チームは、超高輝度X線を一瞬、約30フェムト秒(fs)、タンパク質結晶に照射した。このプロセスで膨大なデータを収集し、その全てを分析するのに1年以上かかった。
結果として得られた画像はよく知られた構造であり、この方法の正当性を示すものであった。次に研究チームは、化学反応の中で形を変えるタンパク質を捉えようとしている。ここでタンパク質の変化をはっきりと見るためには、X線閃光は一段と短くなければならない。
(詳細は、 www.pnnl.gov)