February, 26, 2014, Los Angels--カリフォルニア工科大学(Caltech)は、ハイブリッドSi/III-Vプラットフォームで積分ハイQ共振器をベースにした「高コヒレンス半導体レーザ」に関する研究成果を発表した。
この新しいレーザは、光ファイバネットワークのデータ伝送レートを桁違いに大きくすることができる、とCaltechは説明している。
現在、光通信で使用されているDFB半導体レーザは、1970年代半ばにCaltechのAmnon Yarivの研究グループが開発したものだが、新しいレーザはこのレガシーDFB設計を根本的に改善する。
旧来のS-DFBレーザは、いわゆるIII-V半導体、一般にはGaAsやInP材料の連続的な結晶層で構成されており、この構造を印可された電流が流れると光に変換される。光が生成されると、光は同じ材料内にとどまる。III-V半導体は強い光吸収特性を持っており、またこの吸収がスペクトル純度を劣化させるので、Caltechの研究者は新しいレーザでは違うソリューションを追求した。
高コヒレンスの新しいレーザは、III-V材料を用いて電流を光に変換するが、DFBレーザとの基本的な違いは、それが光をシリコン層、光を吸収しない層に保存することである。これまで、光ファイバ内のレーザビームは光パルスで情報を運んだ。データ信号は高速にレーザをON/OFFすることで光ビームにエンコードされた。しかし、増え続ける帯域需要に応えるために、通信システムエンジニアは、データのエンコードに、もはやON/OFF技術を必要としない新しい方法を採用しつつある。この方法は、コヒレント位相通信である。
コヒレント位相通信では、データは波の到達時間における小さな遅延に存在することになる。この遅延は、10-16秒しか続かないが、情報を何千マイルも正確に伝達できる。ビデオ、データあるいは他の情報を運んでいるデジタル電子ビットは、レーザでこうした小さな遅延に変換される。しかし、可能な遅延の数、つまりデータを運ぶチャネルの容量は、基本的にレーザビームのスペクトラル純度で限界づけられている。この純度は絶対ではないが、この新しいレーザで、研究チームは可能な限り絶対純度に近づけようとした。
研究成果は国立科学アカデミープロシーディングスに、”High-coherence semiconductor lasers based on integral high-Q resonators in hybrid Si/III-V platforms.”というタイトルで発表されている。
(詳細は、 www.caltech.edu/content/new-laser-faster-internet#sthash.BUA0qgWJ.dpuf)