September, 13, 2016, Oxford--ボドリアン図書館とオランダの大学の研究チームは、ハイテクイメージングを使い、アメリカの植民地化以前に遡る珍しいメキシコ写本の詳細を明らかにした。
新たに公開された写本は、約550年見ることができずにボドリアン図書館内蔵のCodex Selden(Codex Añute)として知られる後の写本の背後にプラスタ層やチョークの下に隠されていた。研究チームは、ハイパースペクトラルイメージングを使って、この注目に値する資料から絵文字の背景を明らかにした。
1950年代から研究者たちは、Codex Seldenはパリンプセストではないかと疑っていた。つまり、現在見ることができる写本をつくるために覆われて再利用されたと考えられていた。Codex Seldenは5m長のストリップで、ゲッソ、石膏やチョークからできた白色プラスタで覆われ、折りたたまれて20ページのドキュメントになっていた。写本は、1ページ裏面のが擦り取られた際、1950年代に一連の侵襲的検査を受けて、初期のメキシコ写本が下に存在する可能性を示唆するかすかな画像が明らかになっている。
今日まで、隠された物語を非侵襲的に明らかにする技術は他になかった。初期のメキシコ写本の活気に満ちた絵を作るために部分的に使用された有機塗料はX線を吸収しないため、一般的に使用されるX線分析は除外された。
「4年、5年にわたり様々な技術を検討して、この極めて価値の高い記録に損傷を与えることなく豊富な画像を明らかにすることができた。Codex Seldenが正にパリンプセストであることを確認できた」とボドリアン図書館のDavid Howell、Delft大学のTim Zamanはコメントしている。初期のメキシコ写本がパリンプセストであることが証明されたのはこれが初めてである。