February, 17, 2014, Linköping--リンショーピング大学(Linköping University)は量子ドットからフォトンを放出することによって、省エネコンピュータスクリーンや盗聴防止通信などに向けた偏向光源をつくりだす。
偏向光は、すべての光が同一面で振動し、コンピュータやTVのLCDディスプレイ、最先端の量子暗号などの技術基盤となっている。通常、これは非偏向光をフィルタ(ボラライザ)を透過させることで不要な光波を阻止して取り出す。そうすると、少なくとも半分の光、つまり同等のエネルギーがこのプロセスで失われることになる。
よりよい方法は、光源から偏向光を放出することである。これは量子ドット(QD)によって達成可能になる。QDは、量子力学現象を生み出すほどに小さな半導体材料の結晶。しかし今日まで、量子ドットで達成した偏向光は弱すぎるか、制御が難しすぎるかのいずれかだった。
Per Olof Holtz教授の半導体材料研究グループは代替法を提案しており、インジウム添加窒素材料の非対称QDを微小六角錐頂に形成する。これにより、平均84%の高度な直線偏光をつくりだすことに成功した。
Holtz教授は、「所定の偏極ベクトルを持ち、従来法よりも遙かに大きな偏極度を持つ偏向光を直接つくり出す新しい方法を実証しようとしている」と語っている。
実験では、415nmの光を放出する量子ドットを用いたが、フォトンは金属インジウムの量を変えることで原理的に可視光のいかなる色でも出せる。
理論計算では、QD内のインジウムの量を増やすと偏向度はさらに高まる。
微小ピラミッドは半導体材料GaNを原子層ごとに結晶成長することで造られる。金属インジウムを含む数ナノメートル(nm)の層をマイクロピラミッドの上に成長する。先端の非対称量子ドットから、波長を定めた軽粒子が放出される。
研究成果から、例えば、LCDスクリーン向け光源でよりエネルギー効率のよい偏向LEDへの可能性が開ける。量子ドットは1度に1個のフォトンを放出するので、これは量子暗号向けの有望技術ともなる。
研究成果は、Science & Applicationsに掲載されている。