July, 27, 2016, New York--ロックフェラー大学(Rockefeller University)とオーストリアの分子病理学研究所(Research Institute of Molecular Pathology)のチームは、人がシングルフォトンの存在を検出できることを示した。以前の研究では、暗闇に慣れた被験者が5から7のフォトンのフラッシュだけを報告することができた。
ロックフェラーの神経技術および生物物理学研究所長、Alipasha Vaziri准教授は、「フォトンが数十億の細胞で構成される生体システムと相互作用する。フォトンが生成する反応は、至る所に背景雑音があるにもかかわらず、われわれの知覚レベルまでずっと生きている。人工のディテクタなら、同じように動作するには冷却し、ノイズから隔離しなければならない」とコメントしている。
シングルフォトンを記録する人の目の能力の記録だけでなく、研究チームは、第2フォトンを数秒早く光らせると、つまり1つのフォトンが次を記録するシステムの「準備をする」かのように、人の眼がフォトンを記録する能力が強化されることを確認した。
人の目の感度をテストするために考案された以前の実験は、適切な技術の欠如に悩まされた。
研究チームは、量子オプティクスや量子情報研究でよく使われる、自発的パラメトリックダウンコンバージョン(SPDC)というセットアップを行った。ここでは、高エネルギーフォトンが非線形結晶の中で減衰するプロセスを使う。このプロセスは、補色関係にある正確に2つのフォトンを生成する。実験セットアップでは、フォトンの1つは被験者の目に送られ、他方はディテクタに送られ、研究者が個々のフォトンがいつ目に伝送されたかを追跡できるようにした。
研究チームは、、光源と二者択一強制選択(2AFC)という心理物理学プロトコルとを結びつけた。2AFCでは、被験者は2つのタイムインタバルのうち1つを選ぶように繰り返し求められる。その1つはシングルフォトンを含んでるが、他方はブランクになつている。30000トライアル以上から得られたデータは、人の眼が偶然を大幅に上回る確率でシングルフォトン事象を検出できることを実証した。
「次に知りたいことは、生体システムがそのような感度をどのように達成するかである」とVaziri氏は話している。