July, 22, 2016, Raleigh--ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)材料研究チームは、量子ドットナノロッドへのシリカコーティングを精密制御できる技術を微調整した。これは、従来の方法よりも21倍高速、1日で完了する。時間の節約だけでなく、この前進により、量子ドットの劣化が少なくなり、有利な光学特性を維持できる。
量子ドットは、ナノスケールの半導体材料であり、サイズが小さいために、同じ材料の大きなバージョンと違って、電子エネルギー準位を持つ。量子ドットのサイズを制御することで研究チームは、関連するエネルギー準位を制御できる。また、そうしたエネルギー準位は、量子ドットに新しい光学特性を与える。こうした特性により量子ドットは、オプトエレクトロニクスやディスプレイ技術などのアプリケーションに有望になる。
しかし量子ドットは、配位子に囲まれている。配位子は、熱の影響を受けやすい有機分子。配位子が損傷を受けると、量子ドットの光学特性も損害を被る。
他のチームの以前の研究は、水とアンモニアの溶液を用いてシリカによる量子ドットナノロッドのコーティングを容易にしようとするものだったしかし、そのような技術はプロセスで使う水とアンモニアの量を独立に制御できなかった。
使用する水とアンモニアを独立に制御することによってNC州立大学の研究チームは、従来法で達成したシリカコーティングの精度を超えることができた。加えて、そのアプローチを使うことで、研究チームは、1日でそのシリカコーティング全体を完了できるようになった。他の方法では、1~3週間かかっていた。
シリカコーティングするプロセスは、量子ドットナノロッドの硫化カドミウム表面をエッチングする。これにより、ナノロッドの長さが、4nm、5nm程度に短くなる。そのように短くすることはエッチングであり、これによって量子ドットナノロッドの発光輝度を抑えることになる。
「悪いのは、アンモニアかもしれないと考えている。エッチングを最小化し量子ドットナノロッドの光学特性をよい状態に維持するために、アンモニアを別の触媒に置き換える方法を検討している」と材料科学・工学准教授、Joe Tracyはコメントしている。