July, 12, 2016, Leuven--imecは、Intersolar Europe/EU PVSECで、100%近い両面値の高効率両面n-PERT(BiPERT)太陽電池を発表した。裏面電池の効率が、セルの表面で計測された効率に近いことで、imecの新しい成果は、このタイプの電池で造られたPVモジュールのエネルギー収量を著しく高めることになる。
両面太陽電池(ソーラセル)は、ソーラパネルの前面の光を捉えるだけでなく、背景や雲からの反射光、散光、また日出や日没の直接光など、パネル裏側に届く光も捉える。両面モジュールは、従来の片面モジュールよりも多くのスネルぎーを生成することができる。発表されたフィールドテストは、アルベド値や両面性により、10~40%の両面利得が達成可能である。両面電池は従来のガラスのバックシートにも組込み可能。この構成では、バックシートで赤外光の散乱からの恩恵を受け、裏面金属リフレクタの欠如を補償する、またセル間のギャップからの反射光の恩恵も受ける。
imecのBiPERTは、極薄(<5µm)Ni/Ag組込みコンタクト、セルの両面にバスバーがないことが特徴で、これにより高い美的価値をもつ対称構造となる。この太陽電池は、非常に低い総所有コスト(CoO)の可能性がある。これは、両面からの利得、低コストメタライズ、光シェードと金属コンタクト部を減らす高効率マルチ配線インタコネクトの恩恵を受けるからである。
BiPERTセル(n-型 Cz-Si、サイズ:239㎝2)の最初の実験バッチは、非常に高い両面性値を達成した。裏面からの計測電流(39.8mA/㎝2)は、表面(41.2mA/㎝2)の計測値の97%だった(一般的な両面性値は80~90%程度)。さらに、リアエミッタ構成のimecのBiPERTセルは、最高22.6%の優れた効率を達成した。これは、前面照射と非反射チャックだけを用いた標準テスト条件下GridTOUCHシステムで計測した。このような効率計測はまだ、セルの効果的なエネルギー収量についてセルの両面性のプラス効果を含んでいない。さらに、セルプロセスの最適化、フロントエミッタ構成の導入により、セルの効率とエネルギー収量はさらに向上すると考えられる。こうした効率と両面性値により、わずか15%の限られた両面性利得で、26%程度の有効効率が期待できる。