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新しいアプローチで巨大ヘリウムガス田を発見

July, 8, 2016, Durham--ガス探査の新しいアプローチが巨大なヘリウムガス田を発見した。これは、この不可欠な希元素の危機的な不足に対処できる。
 ヘリウムは、医学のMRIスキャナ、溶接、産業のリーク検出、核エネルギーなど多くの領域で、極めて重要である。今日まで、ヘリウムは意図的に発見できず、石油・ガス採掘中に少量が偶然に発見されていた。
 ダーハム大学とオクスフォード大学の研究グループは、ノルウェイのヘリウム探査会社、Helium Oneと共同で、新しい探査アプローチを開発した。この方法の最初の利用で、タンザニアに世界最高クラスのヘリウム田を発見することができた。
 研究成果によると、旧いヘリウムを擁する岩からガスを放出するために必要な異常な高熱を火山活動が与えている。タンザニア東アフリカ、リフトバレーでは、火山が旧い深部の岩からヘリウムを放出させ、このヘリウムが浅いガス田に溜まる。研究成果は、日本横浜で開催されるGoldschmidt地球科学会議でダーハム大学PhD学生、Diveena Danabalanが発表する。
 同氏は、「ガス捕集が所定の火山に近すぎるところに見つかると、二酸化炭素などの火山ガスによってヘリウムが希釈される危険性がある。われわれは、古代の地殻と最近の地殻との間、ヘリウム放出と火山希釈がちょうどよくバランスしているgoldilocks-zoneを特定しようとしている」と説明している。
 オクスフォード大学地球科学部、Chris Ballentine教授は、タンザニア東アフリカリフトバレーから噴き出したヘリウムガス(と窒素)を調べ、「ヘリウム地球化学についての理解と地震学的画像とを結びつけることで、独立した専門家が、リフトバレーの一部で推定540億立方フィート(BCf)の資源があると計算した。これは、120万以上の医療MRIスキャナを満たすに十分な量である。見方として、世界のヘリウム消費は年に8BCfであり、世界最大のサプライヤ、US連邦ヘリウム貯蔵には、現在24.2BCfが貯蔵されている。米国での総貯蔵量は知られている限りで、約153BCf。社会のヘリウムニーズの将来的安全性にとって、これは大変革をもたらすものであり、今後も同様の発見がいずれあるだろう」とコメントしている。