June, 23, 2016--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究者は、UC Santa Cruz(UCSC)のチームとともに、3Dプリントしたグラフェンベースの超コンデンサのパフォーマンスを倍増する方法を考案した。
リチウムイオンと過塩素酸イオンをエーロゲル電極のグラフェン層の間に挟むという方法で、電極の容量は大幅に改善された。同時に、デバイスの優れた速度性能も維持している、と研究チームは説明している。これらの知見は、ChemNanoMatに発表されている。
「これは、われわれの前のグラフェンエーロゲル超コンデンサの性能を大幅に強化する独自の方法である。われわれはデバイスを改良し、最高の策を見出した」とLLNLエンジニア、論文の共著者、Cheng Zhuは言う。
LLNL研究チームは、ダイレクトインク書き込みプロセスで作製した3Dプリントエーロゲル電極をUCSCのチームに提供した。グラフェンベースの材料は、表面積が非常に大きく、優れた伝導性があるので、超コンデンサでの利用がますます増加している。
方法は、2つのイオン挿入ステップ(リチウムイオン挿入と過塩素酸イオン挿入)を必要とする。それに過塩素酸イオン層間化合物の加水分解が続く。
「この2段階の電気化学プロセスは、電荷蓄積のためのグラフェンベース材料の表面積と疑似容量サイト数を増やす。これが、蓄積容量のさらなる増加に寄与する」とLLNL材料科学者、論文の共著者、Fang Qianは説明している。
グラフェンエーロゲルの容量は、相対的に小さなイオン接触可能面積により制限されている。UCSCの教授Yat Liによると、これはグラフェンシートのアグリゲーションとスタッキングの結果である。
「この研究成果は、3Dプリントグラフェンエーロゲルの容量性能を増やす簡便法である。スタックしたグラフェン層を剥離し、その表面を機能化する。構造的な完全性は失われない」(Li)。
Zhuによると、次のステップは、エーロゲルを使ってさらに複雑なアーキテクチャを作ること、これによりさらに強力な超コンデンサが可能になる。