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ASU、CdTe薄膜太陽電池の効率改善

June, 13, 2016, Tempe--アリゾナ州立大学Ira A. Fulton工学部内の研究チームは、以前は全く異なるソーラ技術だった2つを結び付け、CdTe薄膜太陽電池で大きな改善を達成した。これにより材料科学における問題に新たなアプローチが可能になり、低コストで幅広く利用できる太陽電力に向かって新たな一歩を踏み出すことができる。
 オープン回路電圧は、太陽電池では太陽光から生成される電気の効率性を決める重要要素の1つ。電圧は電気を回路に流すポテンシャルを計測する。光が太陽電池に吸収されるときに高電圧が生じ、原子から電子を振り落とすことで電子を励起する。すると電子は太陽電池の片側に蓄積される、つまりバッテリの負電極のようになる。
 高電圧太陽電池の設計は簡単ではない。太陽電池が太陽光を受けてマイクロ秒、ナノ秒で励起された電子が失われるからだ。したがって太陽電池研究の目標は、失われる前に電気を取り出すことになる。これは、一般に、太陽電池の上下に導電コンタクトを取り付けることによって達成される。しかし、電気工学教授、Yong-Hang Zhangによると、従来のコンタクト(接点)は太陽電池の吸収層に不純物を導入することで実現されていた。これはデバイスの性能を著しく劣化させる。
 このジレンマを克服するために、研究チームは、吸収層にp-型不純物を導入するのではなく、代わりに低コストアモルファスシリコンの分離コンタクト層を加えた。それにより、1.1Vで大幅に容量が改善された太陽電池を実現した。これは1年前には想像もつかなかった成果である、と研究チームは説明している。
 Zhangによると、新しいコンタクト層設計と二重ヘテロ構造の組み合わせを利用した太陽電池を実現した。「スマートコンタクト」から迅速かつ効率的に、可能な限り最大の電子数を増やせる太陽電池をできた。
 この電圧レベルの達成は重要であるが、太陽電池は17%の効率も達成し、単結晶CdTe太陽電池の記録15.2%を破った。他のタイプ、シリコンは最高効率25%であるが、CdTeの効率の飛躍的な改善は、その技術を利用した拡大が有望であることを示している。
 研究チームは、今後1,2年でCdTe電池の効率20%~26%達成を狙っている。