Science/Research 詳細

世界最高密度の光ファイバを実用に耐えうる信頼性で実現

May, 30, 2016, 東京--日本電信電話(NTT)とフジクラ、北海道大学(北大)は、6種類の光(モード)を同時に伝搬可能な光の通り道(コア)を19個配置し、1本に114(=6モード×19コア)の情報経路(チャネル)を多重化した世界最高密度の光ファイバを、250µm以下という実用的な細さで実現した。
 今回、ガラス部分の直径を250µm以下と細く制限することで光ファイバの信頼性(折れない・曲げやすい)を維持し、高密度で取り扱いやすい光ファイバの作製に成功した。このような光ファイバを用いることで、将来的にはハイビジョン映画数千本の情報を1秒で転送するようなことも可能となる。この研究で、今後のデータ通信量の増大に伴い必要とされる数ペタ・ビットから、その1000倍となるエクサ・ビットにも対応可能な信頼性の高い光ファイバに、実現の道が拓けたと言える。

研究概要とその成果
「100以上のチャネルを有する光ファイバの設計指針の明確化」
「設計指針を踏まえ、大容量伝送に適した特性を持つ光ファイバの作製・評価」
「最新の光伝送技術を用いた大容量伝送への適用性の検証」

<1>陸上光伝送路に適用可能な250µm未満の光ファイバ直径で、114チャネル(=6モード×19コア)を多重することが可能となり、ペタからエクサ・ビットの超大容量伝送に対応可能な光ファイバ技術をより実用に近いレベルに高めることができた。
<2>114全てのチャネルで優れた低損失性と均一性(光の通り道によって伝送特性が大きく変化しないこと)を実現し、最新の大容量伝送技術を用い、作製した光ファイバがペタ・ビット級の光伝送へも適用可能であることを明らかにした。
(詳細は、www.ntt.co.jp)