May, 6, 2016, Washington--フランスとハンガリーの研究チームは、使用後簡単にレーザコアを使い捨てることができるレーザをプリントする方法を開発した。
研究チームが作製した有機レーザは、炭素を含む材料で光を増幅する。有機レーザは、無機レーザほど一般的ではないが、利点は高収率光変換、製造容易、低コスト、幅広い波長。
有機レーザの問題点の1つは、劣化が相対的に速いことであるが、レーザが非常に安価で、壊れたら捨てればいいとなると、それはあまり落胆するようなことではない。
研究チームは、インクジェットプリンタを使って超低コスト有機レーザを作製した。
インクジェットプリンティングは、相対的に安価な製法であり、下層の材料に液体を噴出して吹き付けるプロセス。
「圧電インクジェットプリンティングにより、原材料を無駄にすることなく望む場所と時間にプリントする」と、サンテティエンヌ国立鉱業高等学校(Ecole Nationale Supérieure des Mines de Saint-Étienne)プロバンスマイクロエレクトロニクスセンタ准教授、Sébastien Sanaurは話している。その技術はマスクを必要とせず、室温で可能であり、柔軟材料にプリントできる。
研究チームは、可能性のある様々なインクをテストした後、商用インクEMD6415を選んだ。これに染料を混ぜ、インクを石英スライド上の小さな方形にプリントした。
染色インクがレーザのコアとして、つまり利得媒体として機能する。利得媒体が光を増幅し、特徴として狭い単色レーザビームを生成する。
レーザには、利得媒体を通して光を前後に反射するミラー、それに光の増幅を進めるエネルギー源、つまりポンプが必要になる。
新しいレーザの使い捨て部分は、プリントされた利得媒体。これを研究者たちは、「発振カプセル」と呼んでいる。これはわずか数セントで造れると推定される。剃刀の使い捨て刃のように、発振カプセルは劣化すると簡単に交換できる。
研究チームは、黄色から深紅までのレーザを発振するために2つの異なるタイプの染色を使用した。他の染色は、スペクトルの青と緑をカバーすると研究チームは、考えている。
さらに開発を進めると、安価なインクジェットプリントレーザが短いプラスチックファイバでデータを伝送し、化学あるいは生物学的試料分析ツールとして役立つ。