April, 12, 2016, Ann Arbor--ミシガン大学(University of Michigan)工学研究チームは、光ではなく、電気駆動により、パラダイムシフト「ポラリトン」レーザを実証した。ポラリトンは、一部光、一部物質の粒子。
1996年にそのようなデバイスが提案されて以来、世界中の研究者が、その実証に取り組んだ。それが、今では現実のデバイスになっている。
新しいデバイスは従来のレーザに比べて、その動作に必要なエネルギーは少なくとも1000倍少ない。同大学の電気工学・コンピュータサイエンス教授、Pallab Bhattacharyaは、ポラリトンレーザは、現在レーザが使われているあらゆるアプリケーションで利用されるようになると見ている。例えば光通信分野、医療分野の手術。
「コンピュータの基本構成要素であるトランジスタは、次の10年でその基本的なサイズの限界に達するので、ローパワーで変調しやすいこのようなレーザがコンシューマエレクトロニクスで新たな役割を担うようになる」。
Bhattacharyaの見方では、チップ上の、またチップ間の通信の一部は光通信、すなわちレーザに移行する。
新しいデバイスについては、「レーザ」は技術的に誤称である。この言葉は、実際、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭字語であり、ポラリトンレーザは、違う方法でコヒレント光ビームを生成する。
物理的プロセスは、”Light Amplification by Stimulated Scattering of Polaritons,”となる。
研究チーム内のは、ある条件下のマイクロキャビティ半導体GaAsのサンプルの電気的励起によってポラリトンを生成した。ポラリトンは、そのエネルギーをフォトンに伝えることで素早く減衰する、元のポラリトンの特性から、単色光ビームとしてキャビティから出るからである。
「われわれの成功は、2つの新しい特徴に基づいている。まず、追加の電気-ポラリトン散乱を展開してポラリトン緩和を強化し、コヒレント基底状態を作った。2つ目、ポラリトン発振の必要条件を失うことなく、バイアス電流でより多くのキャリアが注入されるように、磁界をかけた」とBhattacharyaは説明している。
レーザは、極低温動作が必要だが、研究チームは、室温バージョンに取り組んでいる。
(詳細は、www.umich.edu)