January, 16, 2014, Cambridge--UKの研究グループは、インクジェットプリント技術を用いて眼から取った細胞を初めてプリントした。
このブレイクスルーは、人の網膜の多様な細胞から造られた人工の移植組織片製造につながり、失明治療の研究に役立つ可能性がある。
今のところ、この成果は予備的であり、成体ラットの網膜からとった2種類の細胞、神経節細胞とグリア細胞のプリントにインクジェットプリンタが使えるという原理実証である。成熟した中枢神経系細胞のプリントに成功したのはこれが初めて。この結果から、プリントされた細胞は健全であり、培養化で生存し成長する能力を持っていることが分かった。
研究チームによると、網膜の神経細胞欠損は多くの失明に至る病の特徴である。網膜は精巧な組織構造になっていて、相互に関連づけられた細胞の精確な配置が効果的な視覚機能にとって極めて重要である。
この研究では、成熟した中枢神経系から取った細胞、つまり眼が、圧電性のインクジェットプリンタを使ってプリントできることが示された。研究チームは、「将来的に、この技術を網膜修復に使えるように開発を進めることを目標としている」とコメントしている。
高度に定義されたパタンと構造に細胞を配列できるようになったことで、3Dプリンティングが生物医科学で利用できるようになり、再生医療で使うためにセルベースの構造を創り出せるようになっている。
この研究では、研究チームは圧電インクジェットプリンタを利用した。特定の電気パルスを与えると、このプリンタの直径サブmmのノズルから細胞を出力する。また、高解像度でこのプリンティングプロセスを記録するために高速ビデオ技術も利用し、それに応じて手順を最適化した。
(詳細は、 www.cam.ac.uk)